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シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン
Chateau Pichon Longueville Baron
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロンの歴史
当主、ベルナール・ピション氏がロングヴィル家の娘と結婚したことからピション・ロングヴィル家が始まります。
この家の次男ジャックは後にボルドー議会の議長となり、そして1694年に結婚をするのですが、そのお相手になったのが、当時、湿地帯が広がり不毛の地とされていたメドック、この地域の中でポイヤックとサンジュリアンの中間に位置するサン・ランベールに40にも及ぶ区画を開拓し、ぶどうの樹を植えたピエール・ド・ムジュール・ド・ローザン氏の娘テレーズでした。
その際に婚姻のお祝いとされたのが現在の「バロン」と「コンテス・ド・ラランド」両ピションのぶどう畑でした。
1850年当時のオーナー、ジャックの孫であったバロン・ジョセフ・ド・ロングヴィル氏が95歳で死去します。彼には5人の子供がいたので分割相続されるはずでしたが、早くに次男ルイが亡くなり、長男ラウール氏が2/5の畑(現在のバロン)と醸造施設を、残り3/5の畑(現在のコンテス・ド・ラランド)を3人の娘が相続、こうしてシャトーは分割されたのでした。
しかし、3人の娘は修道女になっていたり、既に他家へ嫁いでいたりしていたので、実際に管理するには困難な状況であったため、実際にはラウール氏が管理していました。
その間の1855年、メドック格付け制定において両シャトーともに格付け第2級に選ばれました。そして1864年ラウール氏の死去したこともあり2つのシャトーは正式に分離したのです。そして1933年に売却されるまでピション・ロングヴィル家の男系で管理されたシャトーであったため、いつしか「バロン」と呼ばれるようになりました。
その後、シャトー・ラネッサンを既に所有していたブーティラー家の当主エティエンヌ氏が新しくピション・ロングヴィル・バロンのオーナーとなり、ジャン・ブーティラー氏、ベルトラン・ブーティラー氏と代々一族で管理していました。しかし、この時代1950年〜1970年代にかけてこのシャトーは格付け第2級には品質が伴わない時代でした。
1987年、大手保険会社のアクサ社が買収
1987年大手保険会社アクサ社がこのシャトーを買収します。アクサ・ミレジームというワイン投資会社を作り多額の資金力でシャトーの改革に乗り出しました。当時、このアクサ・ミレジームの支配人として招聘した人物の影響でシャトー買収が可能となったとされています。その人物とはポイヤック村格付け第5級、シャトー・ランシュ・バージュのオーナー、ジャン・ミッシェル・カーズ氏です。
カーズ氏の管理の下、直ちにシャトーの大規模な改革が始まりました。シャトー・ランシュ・バージュとシャトー・オー・バタイエそれぞれのシャトー近くに畑を新たに購入、ぶどうの植え替えを行うことによる畑面積の倍増、ぶどう収穫のタイミングを遅らせることによるさらなる過熟、厳しい選果、醸造設備の刷新、新樽バリックの割合を高め、セカンドワイン「レ・トゥーレル・ド・ロングヴィル」を導入するなど、次々と行った改革により品質は劇的に上昇したのです。
2001年ジャン・ミッシェル・カーズ氏は引退しますが、後継者クリスチャン・シーリー氏の下その品質を守り続けています。
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロンの特徴
サンジュリアンとの境となるジロンド川に沿って西から「シャトー・ロングヴィル・ピション・バロン」「シャトー・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド」「シャトー・ラトゥール」が並んでいます。
この周辺全体は谷のような地形であるため、サンジュリアン側、ポイヤック側それぞれが丘のような地形に畑が広がっています。ジロンド川沿いの土地は永い年月の中で幾度も起こった川の氾濫の影響で、砂利が川に向かって堆積しており、まるで堤防のような地形が広がっています。当然、川沿いに丘状に広がっているピション・ロングヴィル・バロンの畑にも多くの砂利が堆積しているため水捌けがいい、ぶどう栽培に適した条件が整っています。
また、畑に多く含まれる砂利は日中の太陽光による熱を蓄えぶどうへ反射しています。しかし夜間の砂利は急激に冷えるため冷気をぶどうへ反射させます。この気温差がぶどうにとってストレスとなり、よりよいぶどうへと育つ大きな要素となります。
また、環境に配慮したぶどう栽培、醸造を行い、土壌の個性を大切にしたワイン造りを目指す組織「テラ・ヴィティス」の認証を受けているだけでなく、環境マネジメントシステム規格(EMS)の「ISO14001」を取得している数少ないシャトーの一つで、リュット・レゾネという減農薬栽培にも取り組んでいます。
ピション・ロングヴィル・バロンでは73haの畑を所有していますが、その半分以上の40haはこのような立地の畑でファーストワインのピション・ロングヴィル・バロンのワインは、ほとんどがこの畑から採れたぶどうを使用しています。
また、醸造面においても特徴的なのが、樽の中でマロラティック発酵を行っているという事です。多くのシャトーではタンク内においてマロラティック発酵を行った方が管理しやすいため、このことは非常に珍しいのです。樽の中でマロラティック発酵を行うメリットは、樽香が早く付くだけでなく、タンニンの質に良い影響を与えるという点です。
また、シャトーの前にある池の下に樽貯蔵庫を新設しました。これにより、醸造施設から樽貯蔵庫、テイスティングルーム、ブティックへと地下を通って人の行き来ができます。樽貯蔵庫へ通じるスロープの壁にはその深さごとに土壌構成が記されています。
また、エチケットのデザインも、2012年ヴィンテージから変更しています。エチケットにはバロン・ド・ピション・ロングヴィルを下部に記載するのは変わらないですが、上部に「シャトー・ピション・ロングヴィル」と表示していたのを、通称の「シャトー・ピション・バロン」に変更しているのです。
また、それまでのセカンドワイン、メルロが主体の「レ・トゥーレル・ド・ロングヴィル」に加え、2012年ヴィンテージよりもう一つのセカンドワイン、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の「レ・グリフォン・ド・ピション・バロン」を造っています。
シャトーピション・ロングヴィル・バロンの評価
ロバート・パーカー氏は自身の書「ボルドー第4版」にて「1950年代、1960年代はスランプだったが、その後、ピション・ロングヴィル・バロンは驚嘆に値する回復を遂げ、特に1986年以降は一貫して最高級のワインをつくっている。現在の品質レベルでは一級への昇格は許されないだろうが、血統以上の出来は見せているためスーパーセカンドと呼ばれることも多い。一級との価格差を考えると、ボルドーのトップクラスの格付けワインとしては良好なお買い得品である。」と評価しています。