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シャトー・ギロー

Chateau Guiraud

完全有機栽培のソーテルヌ格付け第1級。ソーテルヌで最もソーヴィニヨン・ブランの比率が高く(35%)、フルボディタイプの貴腐ワインを産み出します。

プロテスタントの象徴である、黒のラベルデザイン


元々、メゾン・ノーブル・デュ・ベイルと知られていたこのシャトーは、1766年にギロー家が所有し、名声が広がりました。シャトー・ギローのエチケットのデザインはその当時と基本的なデザインは同じで、最も古いエチケットデザインと言えます。

このエチケットデザインの由来は、ギロー家が元々プロテスタントであったことにあります。当時、プロテスタントには市民権や社会権が与えられず、抑圧されていました。ギロー家は、プロテスタントの礼拝堂を建設し、シャトー・ギローのエチケットはプロテスタントの色である黒にデザインされました。

プロテスタントの黒は、16世紀末に「黒は最も道徳的な色」との思想が生まれ、その後の市民革命、産業革命を経て、上流階級で流行した、ボー・ブランメルを始めとしたダンディズムの象徴、黒い燕尾服が礼服として認知され、現代でも礼服が黒なのは、このプロテスタントの思想を背景に生まれたとされています(仏教の黒は起源が異なります)。また、プロテスタントの黒を縁取るゴールドは、ワインの色合いを彷彿とさせます。

1855年のソーテルヌ格付けから現在まで


1855年にシャトー・ギローはソーテルヌの第1級に認定されました。この後も、シャトー・ギローは高い品質を維持しますが、大きな改革を行ったのは、1981年にフランク・ナービーがシャトーを購入したときでした、ナービーは新しい思想の基、シャトー近代化をしていきます。

最初の改革は、1930年代に植えられた赤ワインブドウをブドウ園から取り除くことでした。これに続いてセラーとワイン醸造設備の近代化を行います。新しい排水システムを埋設し、ブドウの密度を上げる為、多くの再植栽を行いました。

2006年から、現在のオーナーに代わり、更なる改革を行っています。現在は4人の共同経営となっています(ザビエル・プランティ、ロバート・プジョー、ナイペルグ伯爵、オリヴィエ・ベルナルド)。

4人の共同経営者


ザビエル・プランティは、1986年にマネージャーに就任し、2006年に共同オーナーに就任しました。ザビエルは、ソーテルヌとバルザックのアペラシオンを代表として、ボルドーワインの専門協議会CIVBで活動しています。

ロバート・プジョーは、自動車の名門プジョーの創業一族で、同社の社長兼ゼネラルマネージャーをしていました。彼は、パリの名門クラブ《Club des 100 in Paris》の一員で、有名なグルメでもあります。

ステファン・フォン・ナイペルグ(ナイペルグ伯爵)は、サンテミリオンのプルミエ・グランクリュ・クラッセに格付けされているシャトー・カノン・ラ・ガフルエールやシャトー・ラ・モンドットのオーナーでもあります。

オリヴィエ・ベルナルドは、Union des Grands Crusの代表で、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのマネージャーを務めています。

635種類の昆虫が共に暮らす、ギローの有機栽培の畑


2007年には有機栽培に切り替え、ビオディナミの思想に基づき、有機農法だけでなく、持続可能なブドウ栽培へのアプローチをすべての畑で行っています。100%自然の環境を維持するため、ブドウ園には様々な植物が共生し、受粉昆虫の活動を促すために、特別な巣箱が設置されています。また、鳥の巣箱も設置し、地域の生物多様性を保護し、自然の持つポテンシャルを最大限引き出して行くことを目的としています。

2001年以来、シャトーは独自に白ブドウを研究し、約135種類の品種を研究設備で栽培・研究しています。また、2010年の夏に行われた調査によると、635種類の昆虫やクモがシャトー・ギローのブドウ畑で確認され、これまでの取り組みが成果となりつつあることが確認されました。

2011年ヴィンテージからは、Agece Bio(AB)認証をすべての畑で獲得しました。

所有畑は128haで、100haの内、セミヨン65%、ソーヴィニヨン・ブラン35%の作付けをしており、残りの28haではブドウ栽培は行っておらず、この土地は公園、緑地、森林の為に確保し、多様な生物と、その活動を促しています。

また、ソーヴィニヨン・ブラン35%の作付け比率は、ソーテルヌの中で最もソーヴィニヨン・ブランの比率が高い構成となっています。

テロワールは、砂、砂利、石灰石の混合で、ブドウ樹の平均樹齢は40年。1ha辺り6,500本の密植を行っています。

醸造はオーク樽を用い、ヴィンテージと性格によって、平均24〜35ヵ月の熟成を行います。熟成の新樽比率は35〜50%となっています。

辛口タイプのシャトー・ギロー「G」


また、シャトー・ギローは「G」という辛口白ワインも作っています。「G」は、平均樹齢35年のセミヨン50%、ソーヴィニヨン・ブラン50%から作られます。ギローで使用したオーク樽を80%、ステンレスタンク20%で約3週間の発酵を行い、7か月の熟成を行います。まろやかで、ボディ感のあるソーテルヌの辛口白ワインです。

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