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コルシカ島 Corsica
その地理的な重要性から、古代から周辺国家がコルシカ島の領有を主張し、長期に亘って戦争・反乱が繰り返された歴史のあるこの島では、住民の自立意識が強く民族主義運動が盛んでした。言語も基本的にはフランス語ですが、トスカーナの方言に近いとされるコルシカ語も日常的に使用されています。こうした背景もあって、コルシカ島はフランスの中でも際立って独特な文化が残っており、ワインにおいても独自性の強い、個性的な銘柄を生産しています。
コルシカ島の歴史
18世紀になるとフィロキセラの襲来により、一時期は大きな打撃を被ったものの、1960年代にはワイン産業が完全に復活、ブドウ畑の面積はそれまでの4倍にまで拡大しました。しかしそれはバルクワインの大量生産地としてであり、コルシカ島産ワインの伝統的価値と品質の向上に目が向けられるのは、1980年代になってからの事でした。現在では国からの助成金などによる支援のおかげで、個性輝く高品質ワインを造ろうとする生産者が目立ってきており、知名度は低くとも興味をそそられるワインが造られるようになっています。
この産地ならではといった、レアなブドウ品種も多いコルシカ島
中でも最も個性的なのは、コルシカ原産品種とされるスキアカレッロという黒ブドウでしょう。コルシカ島で栽培されるブドウのうち、約15%をこの品種が占めており、主にアジャクシオやカルヴィなどを中心とした、島の西側で栽培されています。味わいの特徴としてはスパイシーな印象がありつつ、ソフトで飲みやすい赤ワインを産み、いくつかのアペラシオンでも主要品種となっています。一方でニエルキオも、コルシカ島のブドウ畑で3分の1を占める重要なブドウですが、その正体はイタリアのサンジョヴェーゼ。かつてこの島を支配したジェノヴァの人々によって持ち込まれ、すっかり定着していたようです。
一方で白ブドウでは、爽やかな味わいが人気のヴェルメンティーノが代表的。一説にはコルシカ島が原産地という話もありますが、スペインなどから入ってきた説が有力なようです。すぐ南にあるサルデーニャ島でも、ヴェルメンティーノを使った白ワインが名産で、この周辺一帯で古くから愛されてきた事が窺えます。他には甘口ワインに用いられるミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランや、フランス本土でも広く栽培されているユニ・ブランなどはコルシカ島でも多く生産されています。
この島では赤ワインが優勢で、白ワインは全体の20%程度しか造られておらず、より一層目にする機会が少なくなっています。また多様な土着ブドウの中には、たいていは補助品種として少量使用される程度ですが、コルシカ島でしか生産されていないような希少な品種も存在しています。
コルシカ島のテロワールとアペラシオン
世界的に評価を高めているアペラシオンもいくつか存在しており、島の西部にあるコルシカ最大の街アジャクシオ近辺では、スキアカレッロを主要品種とした赤ワインAOCアジャクシオが生産されます。果実味豊かでスパイシーなニュアンスがありつつ、軽やかながらバランスのとれた上品な味わい。繊細で活き活きとしたロゼも造られている他、少量ながら白ワインもあり、いずれも入手困難な点が残念なところです。
一方でAOCパトリモニオは、コルシカ島で最も早く認定されたアペラシオン。島の北東部に位置するこの産地では、コルシカ島では珍しい石灰質土壌が広がっており、ニエルキオを主要品種とする赤ワインの味わいは、しっかりとした飲み応えに野性味も感じる力強いタイプ。コルシカ島で最高のワインとも言われ、熟成にも耐える長命さもここでは異質な存在です。ヴェルメンティーノを100%用いた白ワインや、ニエルキオを主体とするロゼも存在しますが、アジャクシオ同様に日本ではほとんど流通していません。
その他パトリモニオの産地で造られるAOCミュスカ・デュ・カップ・コルスは、地元の名物である栗のお菓子と相性の良い、ミュスカを使った甘口白ワイン。また広域で認定されるAOCヴァン・ド・コルスは生産量が多く、赤・白・ロゼと多様なタイプが存在し、個性を認められた5つの地域がその名を付記する事が認められています。