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フーリエ

Fourrier

いま、世界中のブルゴーニュ好きが喉から手が出るほど欲しいと熱望する、大注目の生産者「ドメーヌ・フーリエ」。

年間の生産本数は極めて少量で、ワイン情報誌の「リアルワインガイド」誌面上でも、「フーリエのワインを入手できた数少ない人へ心からおめでとうと言いたい」といわれるほど、その大人気ぶりが伺えます。

フーリエは、自身のワイン哲学を貫き通し、ぶどうの品質とテロワールの表現に徹底的にこだわった、極上のブルゴーニュを生み出しています。

ドメーヌ・フーリエの歴史


ジュヴレ・シャンベルタンに本拠地をおき、19世紀半ばに創業した老舗ドメーヌ、「フーリエ」。

1967年、ワイン醸造中に不慮の事故で亡くなってしまった3代目当主の代わりに、現当主の父にあたるジャン・クロード・フーリエは、なんと14歳でワイン造りを始めることとなります。

その後、ジャン・クロードの大叔父であるフェルナン・ペルノの助けもあり、「ペルノ・フーリエ」という名でドメーヌはしっかりと存続されていきました。

ペルノ氏の死を境に、「ジャン・クロード・フーリエ」と改称しましたが、その後ジャン・クロードは1994年に50歳の若さで引退を決意。当時23歳であった、現当主のジャン・マリー・フーリエにドメーヌを引き継ぎ、ドメーヌ名も「ドメーヌ・フーリエ」とします。

ジャン・マリーは、2011年から「ジャン・マリー・フーリエ」名義でネゴシアン業にも進出。自社畑とは被らないエリアの最高品質のぶどうから少量生産でワイン造りに取り組んでいます。

ドメーヌ・フーリエの畑


フーリエの自社畑は、本拠地となるジュヴレ・シャンベルタンのほか、モレ・サン・ドニやシャンボール・ミュジニー、ヴージョなど合わせて9.5haを所有しています。なんと、その7割以上がグランクリュかプルミエクリュなのです。

歴史のあるドメーヌのため、高樹齢の木を多く持っているところも大きなポイント。平均樹齢が50年超にもなるというから驚きです。

「テロワリスト」ジャン・マリー・フーリエのワイン哲学


ここで、ブルゴーニュの若きエリート、ジャン・マリー・フーリエについて詳しくご紹介します。

ジャン・マリーは地元の農業高校卒業後、ブルゴーニュ大学にて醸造を学びます。その後、1988年には「ブルゴーニュの神様」故アンリ・ジャイエのもとで約半年間ワイン造りを学び、さらに、1993年、アメリカ・オレゴンのジョセフ・ドルーアンで修行。ピノ・ノワールの栽培や醸造に関する、広く、深い知識と技術を習得します。

帰国後、23歳の若さドメーヌを任されることとなりますが、自身の家族や、アンリ・ジャイエ、そしてジョセフ・ドルーアンから様々な見聞を広めたジャン・マリーのワイン哲学は、当時すでに完成されたものとなっていました。

ジャン・マリーは自らをテロワール至上主義者「テロワリスト」とよびます。

すなわち、「ぶどう自身のパワーを信じ、人間は極力手を加えずに自然に任せたワイン造りをするべきである。醸造は小手先のテクニックではなく、ぶどうの生命力に身をまかせることで最上級のワインができる」と考えているのです。

最新機器などない頃でも素晴らしいワインを造り続けていた、古き良きヴィニュロンのスタイルを継承したワイン造りに挑戦していきます。

ワイン造りへの徹底したこだわり


「テロワリスト」ジャン・マリー・フーリエの、ワイン造りへのこだわりは随所にみられます。

そのひとつが、「高樹齢のぶどう」です。前述の通り、自社畑の平均樹齢は50年を超えており、中でもフーリエの代表的なワインであるクロ・サン・ジャックの畑には、樹齢100年を超えるものもみられます。ACブルゴーニュの以外のワインは、全て樹齢30年以上のぶどうを使い、樹齢の低いものはすべて売ってしまうのだそうです。

栽培はリュット・レゾネで行い、農薬は低濃度の硫酸銅を、肥料は遺伝子組み換え出ないものを使用します。収量は40hl/haに制限し、選別はかなり厳しく行います。

醸造に至っても、素晴らしいピノ・ノワールを表現できるよう、なるべく自然の力に寄り添う形で進められます。ブドウ由来のタンニンこそが、ピノ・ノワールを真に表現するとの考えから、100%除梗を行います。その後、極力人工的な温度管理はせず、なるべく自然の温度で浸漬を行い、さらに、発酵開始も自然の温度に任せるといいます。熟成時、新樽比率は20%に抑え、澱引きは行わず、無濾過・無清澄で瓶詰めされます。

ぶどうの出来とテロワールの特徴を正確に捉え、できる限り自然の流れにそった醸造を行うことで、唯一無二の素晴らしいワインが出来上がるのです。

低迷期を乗り越え、大人気生産者へ見事に返り咲き


今では生産されるワインが毎年入手困難になるほどの超人気生産者となったフーリエですが、ジャン・マリーのワイン哲学が世間から受け入れられず、苦汁を嘗めていた時期もあったようです。

2000年前後のブルゴーニュワインは、若いうちから美味しく飲める、果実味豊かな早飲みタイプのスタイルが流行していました。そんな時代に、強硬さのあるクラシックなフーリエのワインは多くの評論家から厳しい意見を浴びせられていました。

それでもなお、自身の信念を貫き、真摯にワイン造りに向き合っていたジャン・マリー。たゆまぬ努力の甲斐があって、今では多くの評論家やワイン愛好家から認められ、毎年入手困難となるほどの大人気生産者へと華麗に復活したのです。

ドメーヌ・フーリエの味わい


「若い時も美味しい、熟成しても美味しいワインを造りたい」

クラシカルなスタイルを貫いたフーリエのワインは、硬質でストラクチャーに富んだ滋味深い味わいです。熟成を経たフーリエは、さらに深みを増した魅惑的なアロマが漂う、厳かで風光明媚なワインへと変化を遂げます。しかし、今飲んでも、テロワールやぶどうの生命力を十分に感じることができます。

少量生産がゆえ、毎年各国で争奪戦となっているドメーヌ・フーリエですが、今後もさらに多くの愛好家から支持を受け、その希少性はこれからも高まっていくことでしょう。

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