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シャトー・フィジャック

Chateau Figeac

ボルドーでは最古のシャトーのひとつシャトー・フィジャックは、シュヴァル・ブランとともに、サンテミリオンを代表するシャトーの一つです。

2世紀から続く由緒ある土地


その名前の由来は、ガリア(現在のフランス)が帝政ローマの支配下にあった2世紀ころ、フィジャキュスがここに自分の名の別荘を建てたことからと伝えられています。

1780年に建設されたシャトーが現在も建っているこの土地には、用水路跡や擁壁など古代の遺跡が今も残されていますが、その所有者は長い歴史の中で次々と移り変わっていきました。

14世紀にレスクール家からカーズ家へ渡り、17世紀に入ってからは婚姻によりカルル家の所有になります。カルル家は代々、国や市の仕事をしていた名士であり、銀行家、ネゴシアン、ブドウ栽培など手広く事業展開していて、その所有地は18世紀には200haという広さになりました。

当主が亡くなったあとカルル家の未亡人は、自身の散財によって財産の処分を余儀なくされ、広大な土地は分割されて多くの所有者の手に渡り、その結果フィジャックの名が付いたシャトーがいくつも存在することになりました。また、1832年に売却された区画は現在のシュヴァル・ブランとなっています。

シャトーの転換期


1892年にシェブレモント家に渡った頃には、200haあったシャトー・フィジャックの土地はわずか37haになっていました。

この時の所有者は、県庁パリ支部長であったアンドレ・ヴィルピグの妻で、1946年にヴィルピグの孫のティエリー・マノンクールがそれを引き継ぎます。

農業学の学位を持っていたマノンクールは自ら醸造を手掛け、セラーと醸造設備を新たに改装しシャトーの近代化に取り組み、1971年には「サンテミリオンのファラオ」と評された巨大な石造りの貯蔵庫を建設したり、当時は少なかったステンレスタンクもいち早く導入します。

こうして衰退していたシャトーは大きな転換期を迎えて息を吹き返し、高い品質のワインを生み出し始めました。

現在の格付けは第1特別級Bで、フィジャックから分かれたシュヴァル・ブランのほうが格付けも高くよく知られていますが、シャトー・フィジャックはシュヴァル・ブランに劣らず、1級Aと同等とも評されています。

2度目の転換期と改革


ティエリー・マノンクールが2010年に死去したあと、シャトー・フィジャックは2012年の格付け見直しで格上げの申請を行ったにもかかわらず却下されます。

安定して高い品質を維持しているシャトー・フィジャックは、ランクアップに相応しいにも関わらず販売の面において活発ではなかったために、昇格した他のシャトーに比べ価格が抑えられ「1級Aに及ばない価格」であることが却下の理由でした。

マノンクール夫人はシャトーのさらなる発展のため、醸造コンサルタントとしてミシェル・ローランとジャン・バルミ・ニコラを起用します。

クラシックなスタイルで独自のワイン作りを行ってきたシャトーにとって、外部からのコンサルタントを入れることには賛否が分かれたようですが、体制を刷新するための決断だったようです。

夫人はなおも改革を進め、1988年からシャトーの管理をしていた娘婿のエリック・ダラモンを解任、技術責任者だったフレデリック・ファイをディレクターに任命しました。

彼はバレルセラーに温度制御装置を導入し、古いポンプを撤去してグラヴィティ―・フロー(重力によってブドウの実やワインを移動させる装置)に入れ替えるなど、シャトー再生のための改善策を実行していきました。

ユニークな作付け割合


シャトー・フィジャックは、シャトー・シュヴァル・ブランと共に、サンテミリオンの他のシャトーとは離れポムロールに近い場所に位置しています。

サンテミリオンでは通常メルローが多いのですが、このシャトーではカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランが35%と多く、メルローは30%の割合で栽培されています。

サンテミリオンの1級シャトー13のうち、丘の台地にあるシャトーは11に及び、その土壌は粘土石灰岩であるのに対して、シュヴァル・ブランとフィジャックがあるこの地域は、メドック地区のような砂利の多い土壌で鉱物(おもに鉄)を含み、古くからワイン作りに適した土地として知られていました。

シャトーの40haの畑はその特徴により3つの区画に分けられいて、栽培品種もそれぞれ異なっています。

Les Moulins(風車)と呼ばれる、かつて風車小屋があった場所には、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン、粘土が多く砂利層が薄い場所はLes Terrasse(テラス)と呼ばれカベルネ・ソーヴィニョンとメルローを、L'Enfer(地獄)と呼ばれるのは、砂利層が一番厚く日光の熱を多く蓄え放射するため夏にはひどく暑くなる場所で、ここにはカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニョンを栽培しています。

畑の周囲は林に囲まれていて、強い風や風が運ぶウィルスからブドウを守る役割をしています。

シャトー・フィジャックの特徴


砂利質の土壌と相性のいい、メドックの主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンを多く栽培していることから、シャトー・フィジャックのワインは深い色味と力強い味わいを持っています。

ミシェル・ローランを起用したことで、クラシックなスタイルを失うことを心配した愛好家は多かったのですが、その心配は杞憂に終わり、これまでのスタイルがより良く洗練され、しっかりとした骨格にエレガンスをまとったワインへと進化しています。これはミシェル・ローランの高い技術によるところが大きいでしょう。

シャトー・フィジャックは右岸地域では最初にセカンドを作ったことでも知られ、ラ・グランジュ・ヌーヴ・ド・フィジャックが以前のセカンドの名称でしたが、2013年からは改名されプティ・フィジャックとなっています。

ティエリー・マノンクールの悲願でもあった格付けAへの昇格を目指して、進化を続けるシャトー・フィジャック。この伝統あるシャトーは今後も新たな歴史を刻んでいきます。

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シャトー・フィジャック 1995 赤 <br>Chateau Figeac  スピード出荷

シャトー・フィジャック 1995 赤 
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価格54,890円(本体価格:49,900円)

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シャトー・フィジャック 1981 赤<br>Chateau Figeac    スピード出荷

シャトー・フィジャック 1981 赤
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価格25,190円(本体価格:22,900円)

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シャトー・フィジャック 2007 赤 <br>Chateau Figeac    スピード出荷

シャトー・フィジャック 2007 赤 
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価格17,490円(本体価格:15,900円)

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