トップ > ローヌ > ローヌの注目生産者 > ジャン・ルイ・シャーヴ

ジャン・ルイ・シャーヴ

Jean Louis Chave


「ジャン・ルイ・シャーヴ」は1481年創業。6世紀に渡りローヌ地方のエルミタージュでワインを造り続けています。現当主である16代目ジャン・ルイ・シャーヴ氏は2003年にロバート・パーカー氏が100点満点をつけたことにより、ローヌで神聖化されている生産者でもあります。

特にシラー100%で造られる赤ワイン「エルミタージュ」は、若いうちはエレガントの極地のような味わい、熟成させると信じられないほど複雑さを増す、非常に高いレベルのワインです。フランス南東部のローヌ川流域で造られる「ローヌ・ワイン」、その北部ローヌの代表的なドメーヌの一つが、この「ジャン・ルイ・シャーヴ」です。

ローヌ特有の急勾配の畑が生み出す極上の葡萄。ロシア皇帝のお気に入り、エルミタージュ


「ローヌ川の奇観」とも呼ばれている、段々畑が広がるローヌ地方の「エルミタージュ」地域は「シラー種」のみを使用した長期熟成が可能なワインで古くから有名でした。フランスの宮廷御用達ワインになったばかりか、時のロシア皇帝のお気に入りワインにもなっていました。熟成された樽の特徴を活かし、深い味わいを引き出すエルミタージュの赤ワインはジビエ料理など肉料理全般に合わせやすいワインです。エルミタージュ・ワインはシラー種を85%以上使うことが義務付けられています。10年〜20年寝かせるとベストになる…長期熟成が可能なワインでもあります。

充分に熟すまで待つ。厳選した葡萄のみを使用


「ジャン・ルイ・シャーヴ」のエルミタージュに使われる葡萄畑は合計で28ha。テロワール(土地の味わい)を活かすため土壌に合わせ、マルサン種、ルーサン種、シラー種、グルナッシュ種と、各種の葡萄を栽培しています。収穫する時期は他の周辺の生産者に比べて非常に遅く、葡萄が熟すまで待ち、収量も抑え、厳選、凝縮した葡萄のみを収穫しています。また、醸造の際は各区画ごとに分けて栽培された葡萄の特性を絶妙にブレンドし、テロワールを最大限に生かしています。

神業の如きアッサンブラージュ。エルミタージュの魔術師


ジャン・ルイ氏曰く「エルミタージュはアッサンブラージュのワインである」との事。これは彼のワイン造りにおける信念でもあります。

「ジャン・ルイ・シャーヴ」の醸造方法は白は80%がステンレスタンク、20%が樽。赤は全て樽で18〜24ヶ月熟成されます。全て区画ごとに栽培された葡萄が別々に醸造されます。そして、ここからが「ジャン・ルイ・シャーヴ」の真骨頂。別々に醸造されたワインの試飲を繰り返し、神業の如き絶妙なアッサンブラージュ(調合)によってワインは仕上げられます。

因みに代表作の「エルミタージュ・ルージュ」はシラー種100%なのですが、ワインに輪郭を与える「ぺレア区画」、酸と繊細さの「ボーム区画」、タンニンとスパイシーさの「エルミット区画」、ミネラルの「ベサール区画」と、同じシラー種でも6〜7区画の葡萄をアッサンブラージュし、各区画のテロワールを最大限に活かす「アッサンブラージュ」により、綺麗な酸があり、果実味、タンニンのバランスが取れた複雑な味わいに仕上げています。まさに「エルミタージュの魔術師」の為せる技でしょう。ただし、そんな気の遠くなりそうな作業のためか、赤が2000ケース、白は1200ケースほどと生産量が非常に少ないのも特徴の一つだったりします。

ロバート・パーカー氏が大絶賛。世界中のワインマニアが争奪戦


この、洞窟のような薄暗い地下蔵で調合され生み出されるローヌ地方屈指のワインは前述の通り非常に限られた生産量だったのにもかかわらず、「エルミタージュ・ルージュ」をかのロバート・パーカー氏が2003年に満点をつけ大絶賛してしまったことにより、世界中のワインマニアによる争奪戦が巻き起こり、値段が急騰し(数万円)。残念なことに、入手する事自体が大変困難になってしまいました。

セカンドラインの、ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション


少しでも多くの人たちに美味しいワインを飲んでもらおうと考えたジャン・ルイ氏。ご近所の4人の栽培農家さんに声をかけ、一緒にワイン造りを始めてしまいました。彼らもただの農家ではなく葡萄栽培に関してはプロフェッショナル。ジャン・ルイ氏のアドバイスを受けながら造り上げたのが、「ジャン・ルイ・シャーヴ」のセカンドラインとも言える「ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション」シリーズ。リーズナブルな価格ながら、シャーヴの片鱗を感じられる、非常に高品質なワインに仕上がっています。