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ニコラ・フィアット

Nicolas Feuillatte


ニコラ・フィアットは元々フランスの企業家としてアメリカで名をはせていました。現在ニコラ・フィアットの造るワインはフランスだけではなく、世界中で飲まれています。メゾン設立からたった数年で自身のワインを世界に知らしめたのです。

そこにはニコラ・フィアット独自の人脈と画期的な方法がありました。老舗のメゾンがほとんどのシャンパーニュで伝統や習わしに全く左右されないシャンパンを造ったのです。メゾンが設立が1976年ということもあり、近年まで当主が存命していたことでも有名なブランドです。

ビジネスマンからメゾン設立に至るまで


ニコラ・フィアットは18歳という若さでアメリカビジネスに興味を持ち、渡米をを決意します。アメリカでは、アフリカのコーヒー豆を輸入し大成功を収め、これをきっかけにフランスの企業家として有名になりました。

1960年、シャンパーニュ地方のランスにある12haの畑を譲り受けることとなり、フランスへ帰国をします。

1976年、ワイナリーを創立。自身の名前をそのままブランド名に「ニコラ・フィアット」と名付け、独自のシャンパーニュブランド、「レゼルヴ・パルティキュリエール(=ブルーラベル)」を造りました。

ジェットセッターによって世界中へ


ニコラ・フィアットのワインを広めたのは、コーヒー豆の輸入時に出会った、アメリカのジェットセッターでした。彼らは日常的にプライベートジェットを利用し、プライベート仕事問わず国内外を飛び回っています。その人たちに何かお礼やプレゼントをする機会あるたびに、自身のメゾンのシャンパンを贈っていたのです。世界を又にかける人たちを相手にすることで、瞬く間にワインの存在は口コミで知れ渡りました。

そしてもう一つニコラ・フィアットのワインがより注目を浴びることとなったできごとが、1978年にワシントンのナショナル・ギャラリーで開催されたフランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンをむかえる晩餐会の公式シャンパンとして起用されたのです。それは、ワイナリーの創立からわずか2年のことでした。

1980年にはオーストラリアへ初輸出をしています。創立わずか約40年程で販売数量フランス内で1位、世界でベスト3に入りました。その拡散方法は、シャンパーニュ地方だけでなく、ワイン業界そのものに革命を起こした生産者、又はビジネスマンとも言えるでしょう。

事業拡大とワイン造り


1986年、12haの畑では需要に耐え切れなくなり、事業拡大のためシャンパーニュ地方エベルネにある最大のブドウ生産者連合「センター・ヴィニコール」と手を組みます。センター・ヴィニコールは協同組合会員が約5000生産者(シャンパーニュ全生産者の3人に1人の割合)で、ブドウ栽培面積が2225haにもなり(シャンパーニュ全体の7%にあたる)、グランクリュ13/17、プルミエクリュ33/42、クリュ281/321の畑をもつ 全ての契約栽培農家から良質なブドウを安定して供給しているのです。

上記でわかるように、ニコラ・フィアットのワインを造るのに使われているブドウは、そのほとんどがプルミエ・クリュ以上の畑から収穫されたものです。

醸造では、最大304000hl分 のタンク(リザーヴワイン)貯蔵が可能で、 動瓶専用システム「ジャイロパレット』」を480台を完備しており、 ISO22000 「食品安全リスクマネジメントシステム」を2007年に取得しています。これはシャンパーニュでニコラ・フィアット社のみ。

ニコラ・フィアットが造るワインに使われている品種はピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエの3種類です。シャンパンを造るのに必要とされるのは、質の高い畑からとれるブドウ以外に、ブレンド技術と原酒の量の確保がカギを握るとされています。

2014年に当主のニコラ・フィアットが亡くなってからは、ギヨーム・ロッフィアンが醸造ディレクター・最高責任者としてワイン造りが行われています。

ニコラ・フィアットはスタンダードなブルーラベルから、ブリュットのホワイトラベル、女性に人気のロゼ、特にブドウの出来が良い年にのみつくられるパルムドールなどさまざまな種類が発売されています。パルムドールの名前の由来は、カンヌ国際映画祭の最優秀賞からきています。

世界中で愛される理由


スタンダードキュベであるブルーラベルは、一般的に5,000円以下で市場で取引されています。ニコラ・フィアットのワイン造りの考えの中に、シャンパンを若い世代や少しカジュアルな場でも楽しめるものにというものがありました。手に取りやすい価格というのも重要なポイントだったのです。その成果もあり、コストパフォーマンスの良さから、世界各国のホテル、レストラン、航空会社で使われるようになります。

主な航空会社としては、エールフランス航空、シンガポール航空、2013年からは日本航空の国内線ファーストクラスでも使われるようになるりました。