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フリウリ・コッリ・オリエンターリ

Friuli Colli Orientali


イタリアの有名観光地ヴェネツィアからほど近いフリウリ・コッリ・オリエンターリは、フリウリ全体でも最も良質なワインの生産地です。フリウラーノ種などの土着品種、ソーヴィニョンなどの国際品種を使用した家族経営のまじめなワイナリーが多く集まる白ワインの聖地であると同時に、メルローの赤もかなりのレベルをリリースすることでも知られています。

今回は、年産わずか5,000本弱の生産量しか出さない稀少なワインが多く集合するフリウリ・コッリ・オリエンターリを徹底解説致します。

フリウリ・コッリ・オリエンターリ 土地柄と気候


イタリアヴェネツィアは、その美しい景観と、街中に運河が縦横に足る「水の都」の都市として、世界中からの観光客が絶えないイタリアの観光名所の1つとなっています。フリウリ・コッリ・オリエンターリは、そんな魅惑的なヴェネツィアから数10km、北東部にスロヴェニアとの国境が隣接しているウッディーネ近郊にあるワイン生産地です。

大陸性の気候に影響を受けており、年間を通して雨が少なく、昼夜、夏冬の気温差がものすごく大きい地域です。アルプス山脈から吹き降ろす冷たい北風が周囲の山々に遮られて穏やかになるため、ぶどうの栽培に大変適し、フリウリ品種栽培のエリート地域とされています。

フリウリ・コッリ・オリエンターリ 土壌とぶどう畑の特徴


フリウリ・コッリ・オリエンターリの土壌は、粘土と石炭の泥灰土層と、砂岩層の二つが交互に織りなされてあり、ミネラルを豊富に含んでいます。この恵まれた土壌と気候が高品質のワインが造り出される地となる所以です。

この地域のぶどう栽培方法の多くは、化学肥料に頼らない農法で葡萄を栽培しています。畑での除草剤や殺虫剤などを使わず、敷地内の自然環境を守ることでブドウ樹が自ら免疫力を高め、害虫や病気を発生させないようにしています。また、農園で収穫した野菜の一部から肥料を造り、畑に使用している徹底ぶりです。

そしてぶどう収穫方法にもその丁寧さを出しており、機械を使わず古典的な行われているワイナリーが多く、その手摘みされたブドウを空気式のプレス機で優しく果汁を抽出し、ステンレスタンクへ移し14℃〜16℃でゆっくりと発酵していきます。発酵終了後は約9ヶ月のステンレスタンクにて熟成させ、発酵後全体の30%を木製の樽に移しマロラクティック方式で発酵を行います。

フリウリ・コッリ・オリエンターリ ワインの特徴


フリウリ・コッリ・オリエンターリのワインは、赤も白もそれなりの品質のものが多く、フリウリ品種の他に、赤ぶどう品種ではカベルネソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ネッロ、白ぶどう品種ではシャルドネ、ピノ・グリージョも使われています。

白ワインはクリアでスッキリとした色合いと、深くワイルドな味わいが多く、スパイスとハーブがキリリと爽やかな香り+タンニンが絶妙にマッチしており、口に含んだ瞬間に芳醇なスッキリとした爽やかな酸味が広がり、しかし全体的には飲みやすくマイルドに仕上がっています。

赤ワインは深みのあるベリー系の赤で、その香りが大変爽やかです。深みとコクがある味わいで酸味のバランスが絶妙であり、バランスの良い味わいのワインだと言えます。口当たりもなめらかで肉料理にぴったりのワインと言えるでしょう。

フリウリ・コッリ・オリエンターリ 代表的な生産者


コッリオリエンターリで1500年代から続く代表的なワイナリーと言えばロダロ社です。ロダロは、1846年の古き時代からワイン造りを行っている由緒あるワイナリーです。

前述しましたように、フリウリ・コッリオリエンターリは、オーストリアとの国境地域の為、古来イタリアがオーストリアに侵略されていた時代、オーストリアの貴族達に向け、より文化的なワイン造りを行ってきた経緯があり、この地区のワイン造りの伝統を守りながら新しい手法のワイン造りに果敢に挑戦しており、国内外からもその評価は非常に賞賛されています。

そして、フリウリ・コッリ・オリエンターリの生産者と言えば忘れてはならないのが、パオロ・メロイ。その存在は、フリウリのワインシーンを牽引するワイナリーと言われています。、彼は、1980年代に父親からワイナリーを引き継いで以来、量産に尽力せず、品質本位のワイン造りに情熱を注いでいる生産者です。

ミアーニのエンツォ・ポントーニと親交が深く、ポントーニにブドウ畑の立て直しとワイン造りの助力を依頼したり、共同でブドウ畑を購入したりとパートナーシップのような関係ともいえます。ただ、双方のワイン造りに対するスタンスの違いが大きくあり、ミアーニは厳格なワイン造りを徹底していますが、パオロが目指すのはフルーティで大らかなスタイルを好み、ポントーニもそれを尊重し自身のワイナリーにその考えを反映させています。

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