アックイ

Acqui

アックイはイタリアのピエモンテ州アレッサンドリア県にある町です。ピエモンテ州といえば、山々に囲まれた自然が溢れる州で、イタリアワインの王様と呼ばれる｢バローロ｣やワインの女王｢バルバレスコ｣など有名なワインが多数造られており、イタリアの原産地呼称制度に当たる｢DOCG｣のワインが一番多い州でもあります。

この｢アックイ｣も｢ブラケット・ダックイ/アックイ｣としてDOCGワインに認定されています。｢ブラケット種｣という赤い果皮のブドウから造られる発泡性ワインのスプマンテとスティル・ワインの２種類が造られています。赤いスパークリングワインであり、赤のスパークリングのDOCGワインでは唯一アックイのみとなっています。古くはジュリアス・シーザーがクレオパトラに贈ったという逸話も残っており、非常に長い歴史を誇っています。

ローマ時代からワインと温泉で有名な地

港町ジェノヴァから北西へ60kmほどの場所にあり、1996年にDOCGとして認定された小さなコムーネ(地区)、それがアックイです。古くから｢温泉の町｣としても栄えました。リグリア州に近く、アルプス山脈とアペニン山脈に囲まれ、寒暖の差が大きな地形が特徴で、土壌も水はけが良く、ブドウの栽培に適した土地でもあります。

ローマ時代からワインの生産地としての歴史を持っており、温泉地としても有名でした。スプマンテ(スパークリングワイン)とスティル・ワイン(非発泡性ワイン)の２種類を生産しています。ピエモンテ州といえば｢バローロ｣やバルバレスコを醸すブドウ｢ネッビオーロ種｣が有名ですが、ここブラケット・ダックイ/アックイでは｢ブラケット種｣が造られています。

｢グラスの中の薔薇｣と呼ばれるスプマンテ

美しく淡いルビー色、薔薇を思わせる華やかな香り、爽やかで心地よい甘さ、アックイのスプマンテは時代を超えて若者や女性に愛されて来ました。このアックイを醸し出しているのが｢ブラケット種｣という赤い果皮のブドウです。

この｢ブラケット種｣、アレッサンドリア県アックイ周辺でしか作られていないブドウで、この｢ブラケット種｣から造られるワインは華やかな香りを持つのが特徴です。1800年代から作られている事は解っているのですが起源は不明。非常にデリケートな品種で、生産量も年間500万本と非常に限られており多くはイタリア国内で消費されています(因みに世界的に人気のある｢アスティ｣は約9000万本も生産されています)。

ブラケット・ダックイの歴史は古く、謝肉祭などに登場する伝統的なマスコットキャラクターである｢酒飲みジョヴァンニ｣も、他のワインとともにブラケット・ダックイ/アックイを好んでいたことが良く知られています。また、古くはジュリアス・シーザーがこのアックイの赤いスプマンテ｢グラスの中の薔薇｣をクレオパトラへの献上品として選んだとの逸話も残っています。

アルコール度数控えめ。飲みやすさが人気の秘密

果汁の甘さとフレッシュさを多く残しアルコール度数を5.5％〜7％に抑えた軽快な飲み口がアックイの最大の特徴です。地元ではデザートワインとして楽しまれています。｢マスター・オブ・ワイン｣と呼ばれるメアリー・ユーイング・マリガン氏は｢素晴らしいアロマを感じさせる赤ワイン。フルーティさと華やぐ味わいはアスティやランブルスコを彷彿とさせる｣とのコメントを残しています。

ポリフェノール含有量も多いので｢ヘルシーに飲める甘くて赤い泡(スパークリングワイン)｣として女性に人気となっています。2009年にはヨーロッパの若手シェフが集まる組織に参加するイタリア国内のレストランでは、2月14日のバレンタインデーをブラケット・ダックイ/アックイ で祝うというイベントが企画されたこともありました。