ハーン・ワイナリー

Hahn Winery

｢ハーン・ワイナリー｣は、1970年代にニッキーとガビー・ハーン夫妻がアメリカ・カリフォルニア州のセントラルコーストのモントレーに移住、その後1980年にスミス＆ブックワイナリーを購入し新たに設立したワイナリーです。

もともとニッキー氏はスイス出身の野心家のビジネスマンであり、慈善家でした。そして冒険好きの彼はカリフォルニア・ワインに興味を持ち、２年間のリサーチの後にモントレーを選び、家族とともに移り住みました。もともとスミス＆ブックワイナリーは牧場も経営していましたが、徐々に全てをブドウ畑に切り替え、1980年にカベルネ・ソーヴィニョンによるファースト・ヴィンテージをリリース、高評価を得ました。1991年、ニッキー氏はリーズナブルなライン｢ハーン・エステーツ｣ブランドを立ち上げ、この時期から名称も｢ハーン・エステーツ/スミス＆ブックワイナリー｣に変更し現在に至っています。

夏が終わることのない土地、セントラルコースト

カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコの間にあるのが｢セントラルコースト｣。生産地としては、同じカリフォルニア州のセントラル・ヴァレーにつぐ面積を誇ります。気候が一年中温暖なのが特徴で、スペインの探検家ファン・ロドリゲス・カプリリョが｢夏が終わることのない土地｣と呼んだほどです。温度が非常にブドウ栽培に適しており、泥岩石を含む石灰質でミネラルを含む土壌も合わせ、非常に高品質なブドウを生み出します。赤ワイン用の品種は｢カベルネ・ソーヴィニョン｣。白ワイン用の品種は｢シャルドネ｣がメインに用いられています。

近年注目のエリア、｢サリナス・ヴァレー｣

4000以上のワイナリーが存在するカリフォルニア州。その中でもセントラルコーストは大変広大な地域です。北部と南部に別れており、モントレー地区にある｢ハーン・ワイナリー｣は北部に位置しています。この北部だけでも有名な産地として、リヴァモア・ヴァレー、サンタクルーズ・マウンテンズ、サン・ベニート・カウンティ、そしてモントレー・カウンティがあります。近年は国内外のワイナリーがこの地区のブドウ畑をこぞって購入しており、特に大変注目されているのが｢ハーン・ワイナリー｣のあるモントレー地区の｢サリナス・ヴァレー｣です。

ニッキー氏自身も2000年に、彼の長年の友人であるビル・リーガン氏とともに9億円以上を投資し、ワイン畑のリノヴェーションに着手しました。地元で有名な醸造家であるバリー・ニカウ氏をコンサルタントに起用。これにより畑、ワイナリーともに大きな投資が入り、4つのブランドを立ち上げ、いずれも品質の向上、生産量の拡大に成功しました。

2005年には2002年にスタートし大きな成功を遂げたブランド｢HRM レックス・ゴリアテ｣をコンステレーション・ワインに売却するなど、投資の回収にも余念がないビジネスマンらしさを発揮しています。

最適な温度管理。最先端技術を採用したワイン醸造

よく熟したブドウを厳選して収穫し、全房除梗。豊かな香りと色、味を引き出すため長時間かけブドウを浸漬させます。この作業を確実に行うために最適な温度管理ができる最先端の発酵用タンクを導入しています。

また、熟成に使用されるフレンチ・オーク樽もブドウの味の繊細さを追求するために最高級のオーク樽を使用。特に看板ワインであるシャルドネは熟成プロセスのなかで2週間ごとに手作業で撹拌しています。また、ブドウのテロワール(土地の特性)を最大限に活かすためブドウ畑の区画ごとにタンクを分けて醸造しているのも特徴の一つです。この丁寧なワイン造りが常に高い評価を得ている源となっています。

カリフォルニアにおける、最上のテーブルワインメーカー

｢ハーン・ワイナリー｣は非常にコストパフォーマンスの高いワイナリーとして知られています。特に｢シャルドネ｣は、たった１年間で大手コンペディションで25個の金メダルを獲得、アメリカのワイン評価誌において価格帯最高を意味する｢Best Class｣を10度、｢Best of Show｣を3度受賞など、輝かしい評価を得ています。シャルドネ100％、新樽比率18％のフレンチ・オーク樽を使用して熟成されており、全ての要素がバランスがとれておりリッチな味わいの中にエレガントさを感じる白ワインに仕上がっています。

また、最上級キュベは1980年に初めてリリースして以来、絶えることなく造り続けている一本、｢スミス＆ブックワイナリー｣の名を冠した｢スミス＆フック(ハーン・ワイナリー)カベルネ・ソーヴィニヨン｣。タンニンがしっかりとした、まさに｢最上級キュベ｣と呼ぶにふさわしい一本に仕上がっています。