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オルトレポー・パヴェーゼ

Oltrepo Pavese


オルトレポー・パヴェーゼはロンバルディア州の南西部、ピエモンテ州とエミリア=ロマーニャ州に挟まれたパヴィア県のワインの一大産地です。

ローマ時代から知られる伝統的ワイン産地モントゥ・ベッカリアに1902年に創業した歴史あるワイナリーは1998年に大掛かりな改修を行い、伝統的なワインだけでなく、オルトレポーの重要なブドウ品種であるピノ・ネーロを使ったメトドクラシコ・スプマンテの生産も始めました。

オルトレポーは、「生産方法の伝統」「ピノ・ネーロの品質」「際立った土地柄」「ロゼの衰退の阻止」など、伝統を守る保守的な姿勢でよく知られています。

しかし2007年には、クラシック・スタイルな製法で知られるオルトレポー・パヴェーゼが、全DOC(統制原産地呼称ワイン)の再編成による規範の変更を行い、DOCG(統制保証付原産地呼称ワイン)に昇格するなど、より良いワインづくりのための新たなるチャレンジも兼ね備えていることを世界へ印象付けました。

オルトレポー30年の長い歴史に渡って育まれた伝統にもとづく基本的表現と向上心は、現在の生産状況のパラメーターを時代に適応させるパワーと柔軟さを感じさせます。

オルトレポー・パヴェーゼの気候と風土


イタリア北部中央に位置する都市ボローニャ。そこから西へ行くと、一気に目の前の傾斜に広がる一面のブドウ畑、オルトレポー・パヴェーゼがあります。その先にはリグリア海が見え、春はブドウ畑の中に咲く菜の花やスミレなど、日本でもなじみのある草花が多く見られ、春の雨季の訪れは、4月上旬ごろからはじまるブドウの芽吹きが教えてくれます。

オルトレポー・パヴェーゼの丘陵地帯は、石灰質などを含む土壌で、気候は雨量も少なく比較的穏やかです。加えて適度な湿気があり、日の光も強めです。昼と夜の気温差が大きいこの気候は、ブドウの栽培に適しています。

この土地のブドウ栽培の歴史は約3000年前にまでさかのぼり、古くはローマ帝国の時代より、イタリアで最もトラディショナルなワイン産地として知られています。

オルトレポー・パヴェーゼのワイン


オルトレポー・パヴェーゼは、イタリア北西部にあるロンバルディア州のDOCGワイン産地です。この地でつくられるDOCGワインは「オルトレポー・パヴェーゼ・メトード・クラシッコ」と呼ばれています。

オルトレポー・パヴェーゼ・メトード・クラシッコのワインは、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)種を中心に瓶内二次発酵でつくられる白とロゼの辛口スプマンテ(発泡性ワイン)です。ピノ・ネーロ種の他には、ピノ・ビアンコやシャルドネなどの品種がブレンドされています。

白やロゼのスプマンテには、
  • オルトレポー・パヴェーゼ・メトード・クラシッコ:ピノ・ネーロを70%以上含む
  • オルトレポー・パヴェーゼ・メトード・クラシッコ ピノ・ネーロ(ロゼ):ピノ・ネーロ80%以上含む
の各2種類があります。

最低15カ月の熟成期間が必要で、24カ月以上の熟成期間が定められている収穫年入りのミレッジマート(その年に採れたブドウを使ったスパークリングワイン)もつくられています。

オルトレポー・パヴェーゼ・メトード・クラシッコは、力強いフルーティーさがあり、熟成した柑橘系の果実、パンやトーストしたナッツの香りある複雑な味わいです。微細な泡や上品なロースト香の余韻が長く続き、食前酒としても最適です。

オルトレポー・パヴェーゼは、世界有数のピノ・ノワールの産地で、イタリア国内で最大の収穫量を誇っています。大地の恩恵に恵まれたことを最大限に活かして、高品質なブドウを作るのはもちろん、スパークリングワインにはより繊細な泡を表現することが可能です。

愛されるワインの魅力


オルトレポー・パヴェーゼのワインの魅力の一つは、クロアティーナからつくられるボナルダ、世界第3位の生産量を誇るピノネロの多彩なラインナップなど、個性あふれるワインが良心的な価格で入手できる点でしょう。

この産地で中心的な役割を担っているのは、フランスでも代表的な赤ワイン用ブドウである、ピノ・ノワールです。ここで生産されるほとんどのワインは近郊の大都市ミラノに送られます。週末にオルトレポー・パヴェーゼのワイナリーを訪ねてミラノからやってくる商連客も多く、あるだけの空ビンを持ち込んでビン詰めして持って帰る、という光景が昔から見られます。

オルトレポー・パヴェーゼのピノ・ノワールは、ロマネ・コンティといった代表的な長期熟成ワインを醸造するフランスのピノ・ノワールと性格が大きく異なり、果実味に溢れ、できたてを気軽に楽しめる親しみやすいワインばかりです。 その中でも地元や常連客の間で昔から最も人気なのが、発泡性タイプの赤ワイン。休みの日には氷を入れて飲むスタイルも好評で、ワイン初心者の方にも好まれています。

オルトレポー・パヴェーゼの主な生産者


オルトレポー・パヴェーゼの生産者のうち、各方面において高い評価を得ている作り手としては、以下の6生産者があげられます。
  • Il Montu(イル・モントゥ)
  • Duca Di Salaparuta(ドゥーカ・ディ・サラパルータ)
  • Castello Di Cigognola(カステッロ・ディ・チゴニョーラ)
  • Le Fracce(レ・フラッチェ)
  • Ca di Frara(カディフラーラ)
  • Lino Maga(リーノ・マーガ)

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