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キムラセラーズ

Kimura Cellars


ワイン造りに魅せられ、はるか南半球のニュージーランドに渡り、今や世界のワイン評論家から高い評価を受けるレベルのワイン造りを行うジャパニーズ醸造家、「木村滋久」さん。

「ニュージーランドから、飲まれる方が毎日笑顔になれるワインを届けたい」その思い胸に持ち、奥さん息子さんも連れて、彼はニュージーランドに移住後、現地でとうとう自身のワインセラーを設立されました。そんな彼の造るワインは日本人らしい繊細さがワイン造りに出ているためか日本でも大人気となり、現在は地元新聞や日本の各メディアの取材も多数受けるほど知名度のあるセラーになりました。

セラーオーナー木村滋久さんのヒストリー


東京のキャピタルホテル東急の和食レストラン部門に10年間勤務。ホテル在職時代、EVIワインスクールに通ったことがきっかけで、スクール主催のフランス・ボルドーワイナリーツアーに参加しました。このツアーに参加したことがきっかけとなり、彼はワイン造りに強く興味を抱くようになりました。2003年にホテルを退職された後、ニュージーランドでワイン醸造・ブドウ栽培を一年間習得し、卒業後もそのままニュージーランドに残り、ホークスベイのNatarawa wines、マルボロのClos Henriにて約一年半葡萄栽培の仕事に参加します。

その後、2007年から世界的に評価の高いヴィラマリアに社員として勤務。その醸造チームで活躍することとなります。2008年の収穫時には、ヴィラマリア、赤ワインセラーの現場責任者を務めるまでの実力になりました。在職時、彼が深く携わった2007年のピノ・ノワールは近年多数のワインコークールにてメダルを受賞しています。

2009年に彼はニュージーランドにご家族と共に永住することを決意し、現地でキムラ・セラーズを立ち上げ、ワインの初ヴィンテージを世に送り出しました。

ニュージーランド・マールボロでワイン造りを行う理由


2009年のキムラセラーズのワイン初リリースはソーヴィニヨンブランでした。この初リリースが大好評で、今でもそのソーヴィニヨン・ブランを造ることに専念しているそうです。

元々はフランスボルドーでのワイン造りを望んでいましたが、ビザの関係もあり、ニュージーのマールボロは、ボルドーブレンドが主流だったため、マールボロでのワイン造りを決意されました。

ワイン造りにマールボロが最適だった理由として木村氏は、気候の適度な冷涼感、雨の多さに悩まされる事がなく、生育期間にリスクも少なく、ゆえにオフ・ヴィンテージとなる危険が少ないので、安定したワイン造りができるという点を挙げています。

自社の畑も醸造所もなく契約畑でのワイン造り


キムラセラーズには、自社畑も醸造所もテイスティングルームも持ち合わせてないそうで、マールボロの地元農家が所有する畑の一画単位で契約し、家族経営の小さなワイナリーの醸造施設の一部をお借りしながらワイン造りをしてるというのが驚きです。そのため、キムラセラーズさんのワインはたくさんの量産はできず、全てのワインが期間限定発売商品になっています。

そしてそのワイン造りの工程は徹底したこだわりを見せており、付近はみな機械で収穫をしているところがほとんどの中、手積みでワイン収穫を行っているのです。さらに、ピノノワールの収穫時は、粒の選別まで自身で行う徹底ぶりです。

人手を雇う時期は、収穫の時のみで、醸造に関する工程、ワイン造りに関する仕事はすべて奥様とお2人で行われている完全家族経営のワイナリーなのです。

キムラセラーズのワインの特徴


ソーヴィニヨン・ブラン

キムラセラーズのソーヴィニヨン・ブランは、その個性的なテイストに定評があります。初リリースの翌年の2010年よりオーガニックのブドウでのワイン造りを行ってきましたが、品質維持のため、オーガニック外の葡萄もブレンドを始めました。

グレープフルーツやレモンなどの柑橘系、パッションフルーツ、また白い花ハーブなどミネラル分を含むキリっと体を目覚めさせてくれる爽やかさです。フレッシュな酸味と熟れた果実の風味がバランス良く構成され、そしてどこか力強さの残る風味になっています。

ピノ・ノワール

木村さんがプロュースするピノ・ノワール造りは、前述しました通りヴィラマリアで深く醸造に携わった経験から、同社のワインが賞など各方面から賞賛が高く評価を受け続けていることから定評があります。

その香りは、ブラックチェリー、ラズベリー、イチゴのようなベリー系果実、ロースト香、バニラ、赤い花をブレンドした南からのワインらしい香りです。特に2014年のヴィテージワインは、世界中で評価が高く、市場では一瞬で売り切れになってしまうほどの人気です。