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マァジ

Masi

七世代が育てた「アマローネ」


ヴェネト州が誇る高名なワインといえば「アマローネ」です。ヴァルポリチェッラのワインと呼ばれる「アマローネ」の生産に従事してきたのが、ワイナリー「マァジ」を運営するボスカイーニ家です。18世紀に、「ヴァイオ・ディ・マァジ」と呼ばれていたこのブドウ園を購入したのがすべてのはじまりでした。

ヴァルポリチェッラはラテン名を「Valis Polis Cellae」と言い、初代ローマ皇帝アウグストゥスがことのほか愛したワインとして有名でした。ただし、当時からヴァルポリチェッラのワインを生産するためにはブドウの栽培が非常に難しく、ヴェネト州以外では栽培が不可能とさえ言われていました。

この伝統あるヴァルポリチェッラのワインの生産に18世紀から従事してきたボスカイーニ家は、「アマローネ」を生み出すワイナリーとしてその盛名を世界中にとどろかせています。

その起源がヴェネツィアにあるといわれるボスカイーニ家のヴェネト州に対する郷土愛は深く、名だたるアマローネも七世代に渡って伝承されてきた伝統と技術なくしては成り立たなかったと言われています。

生産面だけにとどまらないサンドロ・ボスカイーニのイニシアティヴ


ボスカイーニ家の家長でマァジの総帥であるサンドロ・ボスカイーニは、伝統に忠実であると同時に革新的なワイン醸造を積極的に推進してきました。

「マァジ」のテクニカルチームは、さまざまな大学や研究所の専門家と協力関係を築いてきました。ワイン醸造専門学者、農学者、マーケティングの専門家、品質管理の専門家、食品包装の専門家など、あらゆる方面の専門家をワイナリーに招聘してきたのです。

ヴァルポリチェッロ特有の栽培方法、アマローネの特殊な製法は、何世紀もの間伝承されてきた貴重な歴史的証人です。しかし、最新科学の分野からの刺激を受けてワイン醸造の技術も進歩すべし、というのがサンドロ・ボスカイーニのポリシーなのです。

「アマローネ」を支える製法、アパッシメント


イタリア人のあいだでは、バローロと双璧をなす品質と美味を誇ると評判の「アマローネ」。この「アマローネ」の味覚を支えているのが、「アパッシメント」と呼ばれる陰干しです。収穫したブドウの水分を除去することにより、糖分や香りを凝縮させる独特の製法なのです。アマローネ生産の技術の余波から誕生したのが、1964年から生産されている「カンポフローリン」「ロッソ・デル・ヴェロネーゼ」などの銘柄です。

「アパッシメント」の技術は、古代ローマ時代にまでさかのぼると言われています。現在では、「マァジ」のテクニカルグループの絶え間ない努力により、この古代から伝わる「アパッシメント」は近代的に改良されています。ラベルに誇らしく記された「APPAXXIMENTOR」の文字は、21世紀の技術に支えられたマァジの品質と真性を証明しているのです。

「アパッシメント」の技術に適したブドウは、コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラなどで、いずれもヴェローナを中心とした地区で栽培されています。これらのブドウは竹を材料にした通気性の良い網棚に並べられ、冬を越します。「マァジ」のテクニカルグループは、最適の温度や湿度によってアパッシメントを遂行できるよう、あらゆる年の気候条件をデータにし、「NASA(Natural Appassimento Super Assisted)」というシステムを生み出しました。アマローネの出来が最良であった1988年、1990年、1995年は、いずれもこのシステムが最高の形で機能したと言われています。

アパッシメントを経たブドウは、30パーセントから40パーセント水分が減少し、甘味や香り、ポリフェノールが非常に濃厚になります。これが、アマローネの深い味わいの源泉となるのです。

イタリアのワインの代表格19ワイナリーの一つに選ばれた「マァジ」


「グランティ・マルキ高級イタリアワイン協会 ( Istituto del vino italiano di qualita Grandi Marchi ) 」という組織があります。イタリアの伝統的かつ高品質のワインを産する19のワイナリーから成り立っているこの協会には、アンティノリ、ガヤ、ビオンディ・サンティ、カ・デル・ボスコ、サッシカイアなどが名を連ねています。そして、「マァジ」もこの協会の一翼を担っているのです。

詩聖ダンテの子孫とのコラボレーション


「マァジ」はユニークなコラボレーションもお得意で、イタリア語の父とうたわれるダンテ・アリギエーリの子孫や、トレンティーノの名門貴族ボッシ・フェデルゴッティ家のアドバイザーとして、彼らのワイン醸造に全面的な協力を行っています。

ダンテ・アリギエーリとヴァルポリチェッラの関係は、なんと1353年にまで遡ります。ダンテがヴェローナに亡命中、息子のピエトロ・アリギエーリがヴァルポリチェッラの領土を購入したのがはじまりでした。当時から、この領土ではワイン醸造が行われていたそうです。そして、20代を経て現在の所有者はダンテの直系子孫セルジオ・アリギエーリです。このセルジオ・アリギエーリのワイン醸造業に1973年からコラボをしているのが、「マァジ」なのです。セルジオ・アリギエーリは、「マアジ」の傘下でワイン醸造やホテルの経営を行っています。

マァジの主なワイン


アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・コスタセラ

「マァジ」の顔ともいえるアマローネ。バローロ、ブルネッロと並んで、「マァジ」のラベルの貼られたアマローネは、イタリア赤ワインの大貴族と称されています。

ガルダ湖に反射する夕日のような赤色が特徴で、リッチで多面的な味わいを堪能できます。熟したベリー類、プラム、サクランボ、イチゴ、ナツメグ、タバコ、コーヒー、甘草、丁字といったさまざまな香りが次々と鼻腔内に漂ってきます。良質のタンニンと息の長い深い味わいを楽しむことができます。山の幸を使った料理ととくに相性が良。

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