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クリュ・ボジョレー

Les crus du beaujolais


ボジョレー地区はマコンの南からリヨンの北まで約55kmに渡るブルゴーニュ地方最南の地区で、主にガメイ種から赤ワインが造られます。日本ではボジョレー・ヌーヴォーがあまりにも有名です。

マコンのすぐ南から始まるボジョレー北部はガメイ種に適した花崗岩を基盤とした丘陵帯で、「クリュ・デュ・ボジョレー」と総称される10のA.O.C.が展開します。現在日本においてやや影が薄いこのA.O.C.の実力をお伝えします。

周辺A.O.C.とヌーヴォー


ブルゴーニュ地方に属しながら、ボジョレー地区には畑ごとのグランクリュ・プルミエクリュの設定はありません。格付け的な意味合いで、ボジョレーの96の村のうち比較的クオリティの高いワインを造る38の村に対して「ボジョレー・ヴィラージュ」のA.O.C.が認められています。このA.O.C.のワインは、A.O.C.ボジョレーより肉付きがしっかりしています。クリュ・デュ・ボジョレーの周囲にはこのボジョレー・ヴィラージュの畑が広がります。

11月の第三木曜日に解禁されるボジョレー・ヌーヴォーはこの地区の生産量の三分の一を占めます。日本はボジョレー・ヌーヴォーの世界最大の輸入国。一時期ほどの盛り上がりではないにしろ、現在も解禁日には各メディアでその様子が報道されています。この状況の中、クリュ・デュ・ボジョレーはヌーヴォーの陰に隠れがちです。

A.O.C.規格の関係性


ボジョレーA.O.C.96の村のうち、上位の位置づけの「ボジョレー・ヴィラージュ」A.O.C.の38の村。「クリュ・デュ・ボジョレー」はその中でさらに優れた生産地。一つの村が単独で名乗るA.O.C.と、2〜10の村で一つの地区を構成して名乗るA.O.C.があり、クリュ・デュ・ボジョレーのA.O.C.総数は10、クリュ・デュ・ボジョレーに含まれる村は22を数えます。

なお、ボジョレー・ワインといえば、ヌーヴォーがあまりにも有名ですが、クリュ・デュ・ボジョレーに新酒(ヌーヴォー・プリムール)の規格はありません。クリュ・デュ・ボジョレーで生産される新酒は新酒であっても「ボジョレー・ヴィラージュ」か「ボジョレー」となります。

代表的なA.O.C.の特徴


クリュ・デュ・ボジョレーの10のA.O.C.のうち、ムーラン・ア・ヴァンとモルゴンが特に熟成能力に優れています。各A.O.C.の特徴は下記になります。

ムーラン・ナ・ヴァン Moulin a Vent

花崗岩砂層にマンガンの鉱脈が入り込んだもろい土壌。しっかりとした複雑な味わいはまさに長期熟成向きです。タンニン豊富で、クリュ・デュ・ボジョレーで一番力強いと言われています。仔牛のローストなどと抜群の相性です。

モルゴン Morgon

結晶片岩と古い火山岩の土壌。こくがあり、肉付きのよいワインが造られます。カシスやプルーン、シェリー酒の香り。モルゴンにはそれぞれ特徴が異なる6つの畑が存在し、力強いワインを産み出す「コート・デュ・ピィ」は特に高名です。

ブルイリー Brouilly

その名の丘の麓にブドウ畑が広がっています。クリュ・デュ・ボジョレーの中で最大の生産量を誇ります。赤い果実の豊かな香りが特徴です。パリのビストロのワインリストによく採用されている人気ワインです。

シェナス Chenas

シェナスはボジョレー地区で最小のクリュです。小さいながら2つの特徴の違う土壌が存在します。花崗岩土壌では、しっかりとコクがあり何年か寝かせてはじめてポテンシャルが最大限に引き出されるワインが生まれます。一方、砂質土壌では花の香り豊かな繊細で柔らかいワインが育まれています。

シルヴル Chiroubles

シルヴルでは標高450mのあたりまでブドウが栽培され、クリュ・デュ・ボジョレーの中で最も標高が高いA.O.C.です。この高さと花崗岩の土壌が、フローラルなアロマをもたらしています。しなやかで軽いため、鶏・鴨・七面鳥などにぴったり。素晴らしいマリアージュが堪能できます。タンニンが多くないため、2年以内に飲むのがおすすめです。

コート・ド・ブルイリー Cote-de Brouilly

ブルイリーの丘の高所に広がるA.O.C.です。花崗岩と結晶片岩の土壌はしっかりした果実のアロマを産み、フローラルなニュアンスも与えています。

フルーリー Fleurie

若くて軽やか、スパイシーでアイリスの花の香り。花崗岩の丘で生産されるワインは、繊細さと女性的な香りが魅力的です。この繊細さ・フェミニンさで、若いうちはまさに開花したばかりの花のような味わい。年月を重ねて熟成すると複雑味が増し、臓物を使った料理とも合うようなり、若い頃とは全く違った成熟した姿を見せます。

レニエ Regnie

レニエは1988年A.O.C.に昇格。クリュ・デュ・ボジョレーの中では一番新しいA.O.C.です。小さな赤い熟した果実や、甘酸っぱい飴のような味わいです。

サンタムール St. Amour

クリュ・ボジョレーの中で最北に位置するクリュ。サン・ヴェランとプイィ・フュイッセと同じ石炭岩があり、ミネラルとフルティーさを併せ持つワインとなります。

ジェリエナス Julienas

ボリューム感のあるワインを産み出すクリュ。レ・ムイユやレ・キャピタンといった畑名が付いたワインはより上質。

クリュ・デュ・ボジョレーとボジョレー・ヌーヴォー


日本では他のワインと比較してボジョレー・ヌーヴォーの消費量が特出しているため、ガメイは「比較的安価で早飲みの品種」という印象が強くなっています。また、その陰に隠れてクリュ・デュ・ボジョレーの知名度も控えめで正しい評価もまだ得ていません。

かのスター生産者フィリップ・パカレは「ガメイは本来エレガントな品種」と発言しています。クリュ・デュ・ボジョレーのワインの繊細さとエレガントさ、そしてそのポテンシャルは、パカレの発言をしっかりと裏付けています。

クリュ・デュ・ボジョレーのワインは、ガメイの赤い果実のニュアンスだけでなく、テロワールによってはスパイシーさやミネラルも感じられる豊かな表情を持っています。そして、何より、他のブルゴーニュワインに比較すれば非常に安価です。日本でももっと評価されていいA.O.C.の一つであることに間違いありません。

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価格1,749円(本体価格:1,590円)

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