ジャック・カシュー

JACQUES CACHEUX ET FILS

ジャック・カシュー・エ・フィスは、ブルゴーニュ地方の最高峰産地｢ヴォーヌ・ロマネ｣で地味ながらも良質なブドウとワインを作り続けているドメーヌです。現在の当主は先代のジャック氏から94年に引き継がれた4代目にあたる息子のパトリス氏で、真面目な性格の彼はクリマの特徴や樹齢(平均樹齢は40年)を細かに記憶しているとのこと。

ドメーヌの歴史は古く、彼らが所有するロマネ・サンヴィヴァンの北東に位置するプルミエ・クリュの畑｢ヴォーヌ・ロマネ・ラ・クロア・ラモー｣の十字架は、村に５つある十字架の中で一番古く、サン・ヴィヴァン修道会の所有であったとされる由緒ある畑です。この畑は1984年にグラン・クリュ昇格を望みましたが残念ながら実現はしませんでした。それでも｢ジャック・カシュー・エ・フィス｣の実力はヴォーヌ・ロマネの数あるドメーヌの中でも際立った評価を得ています。

看板ワイン、ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・クロワ・ラモー

｢ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・クロワ・ラモー｣。前述したジャック・カシュー・エ・フィスの看板ワインです。この畑はロマネ・サン・ヴィヴァンの下部に、周囲を囲まれるようにしてある畑で、殆どロマネ・サン・ヴィヴァンと言っても良いような畑。実際に行くと区切りもなく、同じ畑に見えるそうです。

残念ながらグラン・クリュへの昇格はなりませんでしたが、味わいはグラン・クリュのロマネ・サンヴィヴァンに匹敵すると言われており、この素晴らしいワインがプルミエ・クリュの価格で手に入るというのは我々には幸運とも言えます。

香り豊かで優美なワイン、繊細なワイン造り

ジャック・カシュー・エ・フィスのワインは多くの｢ヴォーヌ・ロマネ｣のワインと同様に、｢香り豊かで優美｣なことが特徴となっています。基本的には収穫時に畑で選果、雑味を消すため100％除梗、マセンラシオン(色素やタンニンなどの成分を抽出させるために、種や果皮を漬け込むこと)は温度は10度､７日間行います。

発酵前にもピジャージュ(発酵中ぶどうの皮の層を長い棒を使って攪拌すること)を行い発酵が始まったら1日に1回ずつのピジャージュとモンタージュ(タンクの下から液を抜きタンクの上から降りかけて循環させる方法)。グラン・クリュ、プルミエ・クリュには基本的に新樽100％です。レジオナル(地域全体)のACブルゴーニュでも1割から2割ほどの新樽を用いています。清澄、そしてフィルターはかけずに瓶詰めするため、オリもしっかり見られます。5つの村名ワインは、アッサンブラージュ(ブレンド)せず、それぞれ個別に造り分けています。

ロバート・パーカー四つ星生産者

非常に地味な生産者なのですが、上質なワインを生み出している生産者｢ジャック・カシュー・エ・フィス｣。2012年からは、パトリスの息子シャルル氏もドメーヌの経営に参画しています。その品質の素晴らしさは、あのロバート・パーカー氏に四つ星の高評価を獲得していることからも伺えます。ワインをグラスに注いだときに立ち上がる薔薇の花のような香り、エレガントな｢ヴォーヌ・ロマネ｣の世界観を継承し、飾ることのないナチュラルなワインを造り続けています。

ジャック・カシューの主な所有畑

エシェゾー　1.07ha
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ　ラ・クロワ・ラモー　0.17ha
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ　レ・シュショ　0.45ha
ヴォーヌ・ロマネ・レ・シャランダン　0.44ha
ヴォーヌ・ロマネ・オー・レア　0.32ha
ヴォーヌ・ロマネ・レ・ラヴィオル
ヴォーヌ・ロマネ・レ・ジュヌブリエール
ヴォーヌ・ロマネ・レ・ゾルム
ヴォーヌ・ロマネ　1ha
ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・バ・ド・コンブ　0.52ha
オート・コート・ド・ニュイ・ルージュ　1.10ha
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・シャン・ダルジャン　1ha
ブルゴーニュ・ルージュ　0.56ha
ブルゴーニュ・アリゴテ　0.16ha
※ブルゴーニュとオー・コート・ド・ニュイの赤白にはネゴシアンものもあります。