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ドメーヌ・ドニ・モルテ
Domaine Denis Mortet
1993年、ドニ・モルテ氏が父、シャルル・モルテ氏から畑を受け継ぎ誕生したドメーヌ・ドニ・モルテ。ドニ氏は父の下で17歳からワイン造りに携わり、1991年に跡を継ぎました。そしてあのブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイエ氏からも教えを請いました。厳しい選果、抑えた収量、苗木一本一本を熟知、場所、苗木に応じた栽培方法を行っています。48時間低温醸し、澱とともにゆっくりと樽熟成を行うスタイルです。
ドニ氏がドメーヌを始めると、有名評価誌は皆「ジュヴレ・シャンベルタンのスターになる」、「ブルゴーニュの天才」と称賛しました。フランスの評価誌「ル・クラスマン」では、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、ドメーヌ・ルロワと並び、三ツ星生産者の常連として名を連ね、ブルゴーニュワインの未来を担う存在として期待されてきました。
フィネスのあるワイン造りを目指したドニ・モルテ氏の重厚感と豪華さを合わせ持つワインは、1993年にはカルト的な地位を確立、隆盛を極めました。
2006年、ドニ・モルテ氏が他界。息子のアルノーがしっかりと受け継ぐ
しかし2006年、突然の不幸に見舞われます。評価に比例して価格も急高騰、仕事に没頭すればするほど、彼が思い描くスタイルから離れていったといいます。溢れる才能ゆえの葛藤からか、2006年1月自らの命を断ち、その生涯を終えたのでした。
天才と言われた彼の死は、全世界のワイン関係者や愛好家に大きな衝撃が走りました。そんな中、当時はまだ24歳だった息子のアルノー・モルテ氏がドメーヌを継承します。
13歳の頃から父の手伝いをしていたそうですが、専門学校を中退、1999年から2000年にかけてはオレゴンのウィットネス・トゥリー・ヴィンヤード、2001年から2002年にかけてドメーヌ・メオ・カミュゼとドメーヌ・ルフレーヴで研修。ドメーヌ・ルフレーヴで研修したのは自身もわずかながら白ワインを手がけ、ビオディナミにも興味があったため。ルフレーヴで働いた結果、ビオディナミの難しさを理解したという。2004年から2005年にかけてはオーストラリアのトルブレックなどで収穫と醸造に加わりました。 現在は、母ローランス・モルテ女史、祖父シャルル氏と共に、愚直な畑仕事でナチュラルなワイン造りに取り組んでいます。
一緒に働く母ローランスの存在も欠かせません。彼女はテイスターとしても一流で、かつてドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティが主催したテイスティング会で全ワインの生産者、銘柄、ヴィンテージまで的中させたこともあるほどの凄腕です。
かつて、ドニ氏が本当に目指していたスタイルを息子のアルノー氏が確立したことで、「実は父親以上かも?!」と評価もうなぎ上り。世間の評価も父に勝るとも劣らないほどになりました。
ドメーヌ・ドニ・モルテの栽培・醸造
抽出を抑え、パワーではなくフィネスのあるワインを造りたい、そう考え、「テロワールの性格がわかるエレガントなスタイル」を掲げ、ぶどうの出来にあった除梗、樽の使用により、亡き父の意志を継承、よりエレガントで柔らかみのあるワインを造り出すことに達しました。ジュヴレ・シャンベルタンらしい壮大で威厳を感じる果実味を持ちながら、華麗さは健在です。
「テロワールを表現するにはぶどうが全て」という信念の下、化学肥料などは使用せず有機栽培を実践。ぶどう樹は、根を地中深く伸ばすため1ha当たり1万本という高い植樹率を保っています。樹齢はヴィラージュクラスで樹齢20〜50年、一部は樹齢80年を超えています。醸造においてはえぐみ、青臭さが付くことを防ぐため100%除梗、祖父シャルル氏から受け継がれる手法で行っています。醸造法は、原則として完全除梗のうえ、低温マセレーション。発酵容器はコンクリートタンクを使用。
1日1度のルモンタージュと2、3度のピジャージュ。新樽率に関して以前はほぼ100%新樽熟成でしたが、現在はヴィラージュクラスで60〜70%まで下げています。
ドメーヌ・ドニ・モルテの畑
<グラン・クリュ>
シャンベルタン
クロ・ド・ヴージョ
<プルミエ・クリュ>
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ シェルボード
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ プティット・シャベル
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ シャンポネ
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ ベル・エール
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ レ・シャンポー
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ ラヴォー・サン・ジャック
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ
シャンボール・ミュジニー プルミエ・クリュ オー・ボー・ブリュン
かつて5つの区画名入りジュヴレ・シャンベルタンを造っていましたが、その後、ひとつに集約「ジュヴレ・シャンベルタン・メ・サンク・テロワール」を造りました。それを今度は以下のように整理しました。
ジュヴレ・シャンベルタン
ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
ジュヴレ・シャンベルタン・アン・シャン