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シャトー・フュイッセ

Chateau de Fuisse


ブルゴーニュ屈指の白ワインと称される、プイィフュッセ・ヴィエイユ・ヴィーニュで有名なシャトー・フュイッセ。1604年からと、長い歴史を持ちながら、常に革新的な技術を取り入れ進化を続けてきた、プイィ・フュイッセを代表するシャトーです。

ヴァンサン家のもとで発展したプイィ・フュイッセを代表するワイン


ブルゴーニュ、マコネ地区の白ワインといえば、プイィ・フュイッセが有名ですが、中でも名実ともに代表格といえるのが、このシャトー・フュイッセのワインです。

シャトー・フュイッセのシャトーは、プイィ・フュイッセのほぼ中心に位置します。ぶどう畑の大半はプイィ・フュイッセですが、その他にもサン・ヴェラン、マコン・ヴィラージュ、マコン・フィッセやボジョレー地区のジュリエナにも畑があり、シャトーを中心としたモザイクのような構成となっています。

その歴史は古く、ドメーヌとしての始まりは13世紀からといわれていますが、ワインづくりが本格化したのは現在の当主、ヴァンサン家が所有を開始した1852年からです。

醸造元元詰めを始め、それまで田舎の地方ワインに過ぎなかったシャトー・フュイッセを、ミシュランの星付きレストランに置かれるようにした4代目のマルセル氏。

大学で農業と醸造学を修め、マルセル氏のもとでワインの品質向上に取り組み、シャトー・フュイッセの名声を確立した5代目のジャン・ジャック氏。

そして6代目となるアントワーヌ・ヴァンサン氏も醸造学のディプロマをもち、優れた醸造家として活躍するなど、ヴァンサン家の伝統はしっかりと受け継がれています。

アントワーヌ氏は、同社のワイン造りで重要な点なのは、「テロワール」、「ヴィンテージの特徴」及び「シャルドネ」であると語っています。その言葉どおり、それぞれのぶどう畑の特徴にあわせて果実を丁寧に育て、手摘みで収穫して熟成させ、新鮮なミネラル感を最大限に引きだしたワインが特徴です。

伝統と技術革新が織りなすプイィ・フュイッセの代表的ワイン


長い歴史をもつシャトーですが、伝統を活かすだけではなく、新たな技術や知識もどん欲に取り入れています。たとえば、現在では、サステイナブル農法として、ワイン造りの主流となっているリュット・レゾネ(減農薬栽培)をすでに30年前から取り入れていました。

また、シャルドネでは一般的なマクロラティック発酵ですが、シャトー・フュイッセではそれぞれの特性をみながら行っています。中には2009年のように、まったくマクロラティック発酵を行わない年もあるなど、ここでもそれぞれのヴィンテージに合わせたワイン造りの精神が活かされているといえるのではないでしょうか。

そして、ワインのテイストも時代にあわせて進化しています。先代のジャン・ジャック氏が手掛けていた時代のプイィ・フュイッセは、シャルドネらしい樽の香りを効かせたものでした。2003年にアントワーヌ氏が醸造家としてワインを手掛けるようになって、より現代的でバランスの取れたものに進化した、という評価を受けています。

伝統に甘んじることなく、絶えずよいワインとは何かを追求していく姿勢が世界中からの高い評価につながっています。

評論家から高い評価を得たヴィエイユ・ヴィーニュ


同社では、「ル・クロ」、「レ・コンベット」そして「レ・ブリュレ」という単一区画のワインが3種類あります。それぞれの区画の土壌や日照条件などを分析し、葡萄の樹齢にあわせた醸造方法を採用しているのが特徴です。

単一区画物はすべて樽熟成されますが、その樽についても新樽だけを使うもの、3〜5年の古い樽を使うもの、そしてそれらをバランスさせて配合するものの3種類と、きめ細かな配慮がなされています。

また、最良の区画を選び抜き、アッサンブラージュしたのは「テート・ド・クリュ」と呼ばれています。

シャトー・フュイッセのいずれのワインも市場で高い評価を得ていますが、中でもブルゴーニュ屈指の白ワインとして名高いのが、5代目当主のジャン・ジャック氏が心血を注いで作り上げたヴィエイユ・ヴィーニュでしょう。1929年に植樹された古木を始め、樹齢30年以上のぶどうの木から造られ、新樽を使って発酵・熟成されたこのワインは、国内外から高い評価を受けています。

また、ドメーヌだけではなくネゴシアンラベルのワインも「ヴァンサン(VINCENT)」の名のもとに1985年からリリースしています。もともと、ヴァンサン家の親戚には多くのぶどう農家がいたことから、その畑で造られたワインをネゴシアンとして出荷しているものです。自社の畑ではないとはいえ、2003年以降は、シャトー・フュイッセのスタッフがその畑を管理していることから、実質的には自社ワインといってもよいのではないでしょうか。

一般に、ドメーヌに比べてネゴシアンについては、一段低くみられがちな傾向がありますが、ヴァンサンについては品質面でもドメーヌのものにひけを取らないといわれています。シャトー・フュイッセの実力試しに、こちらから試してみるのも手かもしれません。