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ヴァンサン・ジラルダン

Vincetn Girardin

ヴァンサン・ジラルダンは、ブルゴーニュの有力生産者であると同時に、ネゴシアンワインメーカーとしても、そのパイオニアとして、年々確実にその評価を高めています。

ヴァンサン・ジラルダンの歴史


ヴァンサン・ジラルダンは、1961年、ブルゴーニュのワインメーカー一家に生まれました。21歳の時、父親から相続としてサントネーの2haの畑をもらい独立しました。そのころの赤ワインの比率は80%でした。その後1990年に、ムルソー・レ・ナヴォーを取得し、白ワイン造りにも取り組み始めます。

1990年代、幅広いワインを造るため、様々な栽培方法、醸造方法に挑戦します。当時、畑は、20haにまで拡張されましたが、生産量を増やすには資金不足でした。その為、近隣のブドウ農家からブドウそのものを買い付け、自らのスタイルに合ったワインをネゴシアンワインメーカーとして造りはじめました。

当時ネゴシアンは、ブルゴーニュの複数の区画からのワインを買い付け、自らのドメーヌでブレンド、熟成、瓶詰めするのが一般的でしたが、それではそれぞれのテロワールのポテンシャルを引き出すことができないと考え、ブドウそのものを買い付けました。その後、自らの望むワインを造るため、ブドウ農家にも自分たちの栽培方法を取り入れてもらいました。まさに、ネゴシアンワインメーカーとして、新しい地平を切り開いたと言えます。

2001年にはエリック・ジェルマンが醸造責任者として参画し、共に醸造スタイルの変革を追求し始めます。2002年にはムルソーに移転。この頃から、ヴァンサン・ジラルダンの醸造スタイルは、著名なソムリエやジャーナリストから高評価を得ていきます。

2012年、ドメーヌの設立者ヴァンサン・ジラルダンは、健康上の理由から、ボーヌのコンパニエ・デュ・ヴァン・ド・オートルフォワという、ジャン・ピエール・ニエがオーナーの会社に会社組織としてのヴァンサン・ジラルダンを売却しました。その後もエリックを始め。他のスタッフはそのままでワイン造りを行っており、これまでのヴァンサン・ジラルダンと中身に変化はありません。中身同様、ワイン造りへの情熱も損なわれるどころか、さらに燃え上がっています。

ヴァンサン・ジラルダンの特徴


現在、エリック・ジェルマンとマルコ・カスケーラが中心になってドメーヌを運営しています。ムルソー生まれのエリックは、醸造責任者であり、ワイン造りのすべての工程に関わっています。一方、リヨン出身のマルコは、フランス国内の販売と輸出に全責任を負っています。

ワイン造りのモットーは、「畑はなるべく手を加え、醸造は自然に、設備はモダンに」です。ムーンカレンダーを使って、栽培、醸造を行っています。

「素晴らしいブドウなくして、素晴らしいワインはできない」との考えから、ブドウの品質にはとてもこだわっています。

赤・白ワインとも、収穫はすべて時間をかけて、丁寧に手摘みされます。いずれも、ベストなタイミングでの収穫ができるよう、区画ごとに収穫日を決めています。選果は、選果テーブルで人の目で、2度目は、光学センサーを使って行われます。プレスは空圧式で、ゆっくり時間をかけて行います。

その後白ワインは、100%樽で発酵、熟成を行います。赤ワインも100%樽で熟成させます。今までに比べて、新樽比率を減らし、だいたい新樽率30%に抑えています。また、今まで10〜12か月だった熟成期間を、2冬を越すぐらい(18か月)まで伸ばしました。

これらはすべて、エリックの目指すワインを実現させるためでした。熟成期間を延ばすというのは、ちょっとした変化のように感じられるかもしれませんが、実際、とてもお金がかかることなのです。しかし、これらのことによって、他のネゴシアンワインメーカーのワインの追随を許さないワインができるのです。

ヴァンサン・ジラルダンの評価


セレナ・サトクリフは、自著「ブルゴーニュワイン」の中で、ヴァンサン・ジラルダンを評して「大変良く作られたドメーヌワインであり、同時に、ネゴシアンワインも信頼できる。」と書いています。

ロバート・パーカー氏も、「これほど手ごろでありながら、様々な、卓越したワインを造ることができるブルゴーニュのワインメーカーやネゴシアンを、ヴァンサン・ジラルダン以外に知らない」とコメント。

ヴァンサン・ジラルダンのワインは、プレミアワインは言うに及ばず、スタンダードなワインも同様に高い品質を保っており、そのコストパフォーマンスの高さには定評があります。ブルゴーニュワイン専門の評価ポイント「Burghound.com」でも、ほとんどのワインが90点以上を獲得しています。