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ドミニク・ラフォン

Domminique Lafon


世界の白ワイン生産者の中でも3本の指に入る屈指の存在である、コント・ラフォン。その当主のドミニク・ラフォン氏が造るネゴシアンものが、自らの名前を冠した「ドミニク・ラフォン」です。

コント・ラフォンの当主がリリースするネゴシアンもの


コント・ラフォンのワインと言えば、その洗練さ、繊細さゆえに、ムルソーの最高峰であるとの定評があります。また、ドミニク・ラフォン氏といえば、ムルソーのスーパースターであり、ムルソーでも屈指の13haの畑を所有し、そのポテンシャルを最大限発揮出来る良いブドウを作るための努力をし続けています。そして、1992年には除草剤の使用をやめ、1990年代後半には、ビオディナミに転換し、栽培方法にもできる限りの工夫をしています。

一方で、ドメーヌ・ルネ・マニュエルをジャン・マルク・ルーロとともに買収するなど、精力的に動き、その活動の幅を拡大し続けています。

そんな中の2008年、半ば自分自身の愉しみのために作り始めたドミニク・ラフォンが、初めてリリースされました。拡大し続ける自らのドメーヌの中で、営業やら展望やら、世界の動向とやらに関係なく、自分が造りたいと思うワインを造りたいというドミニク・ラフォン氏の気持ちはわかるような気がします。

世界中のコント・ラフォンファンがその発売を楽しみに待ちましたが、悲しいかな、その量の少なさゆえ、当初はなかなか入手できませんでした。

ドミニク・ラフォンの特徴


ムルソー屈指の生産者、ドメーヌ・コント・ラフォンのドミニク・ラフォン氏の新たなるチャレンジが、自らの名前を冠した、オウン・レーベルのドミニク・ラフォンです。

このワインを造るワイナリーは、正確に言えば、ネゴシアンとなります。とはいえ、ブドウは契約畑だけでなく、自社畑のものも使用しているようです。また、使用するブドウの栽培のすべてをドミニク氏の管理の下で行っていますので、当然ながら、ビオディナミ、あるいは有機栽培で行われています。

ブルゴーニュ・ブランは、ピュリニー・モンラッシェとムルソー下方の区画のもので、ムルソーは、ヴィラージュクラスのラ・プティット・ド・モンターニュ畑ですが、樹齢の高いブドウ木から産み出されます。醸造所はムルソーにあります。

ワインは樽発酵され、プルミエ・クリュ以上にはオークの新樽を使っています。マロラクティック発酵後、ラッキングを一度のみ行い、ブルゴーニュ中で一番深く、冷涼なセラーで2年間熟成させた後、瓶詰されています。

つまり、ドミニク・ラフォンは、ドミニク・ラフォン氏の造りたいように、自ら造ったワインでありながら、コント・ラフォンの偉大なポリシーはそのまま受け継いでいます。余談ながら、ドミニク・ラフォン氏がアメリカ・オレゴンでコンサルトする「イヴニング・ランド・ヴィンヤーズ」のコンサルト料で、このプロジェクトを立ち上げたそうです。なんともうらやましい限りの話です。

ドミニク・ラフォンの評価


2008年に、ドミニク・ラフォンがリリースされた時、世界中のブルゴーニュファン、白ワインラヴァー、ワイン愛好家がとても楽しみに待ちましたが、いかんせん、畑も限られているため、生産される絶対量が少なく、なかなか人々の手元まで届きませんでした。

実際、ドミニク・ラフォン・ラベルのすべてのワインをBB&R(ベリー・ブラザーズ&ラッド)が独占契約して、イギリス、香港、日本の限られた代理店のみでの取り扱いとなっています。イギリス、香港、日本!ここに日本が含まれているとは、日本のファンにとってはうれしい限りです。でも、希少品にあることには間違いありません。

そのワインは、ドミニク・ラフォンとして自らの名前でリリースする方が、制約が少ないと見えて、ドミニク氏のセンスそのものが如実に反映されているように思われます。今までのコント・ラフォンのワインが、リッチな香りと重厚さを特徴とするムルソーでしたが、最近は、それがとてもタイトでエレガントなものへと変化してきていて、ドミニク・ラフォンも、同じ方向性を目指しているように感じられます。

ドミニク・ラフォン氏が目指すワインのスタイル、あるいは、ドミニク・ラフォン氏そのもののファンには、ドミニク・ラフォンは、彼のワイン観やセンスそのものを感じ取れるワインとなっています。