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シャトー・カマンサック
Chateau Camansac
ボルドーのメドック地区、A.O.Cオー・メドックのメドック格付け5級のワインの1つ、シャトー・カマンサック。メドック格付けに載っているもののあまり知名度が高くないワインの1つと言われていましたが、現在品質が向上し人気が出ているワインです。シャトー・カマンサックの土壌・環境
シャトー・カマンサックはA.O.Cサン・ジュリアンの西側、メドック格付け2級のシャトー・グリュオ・ラローズの奥にある、A.O.Cオー・メドックのサン・ローラン村に位置しています。また、すぐ近くにはA.O.Cサン・ジュリアンのメドック格付け3級のシャトー・ラグランジュがあります。サン・ジュリアン村が近いこともあり、シャトー・カマンサックで作られるワインにも凝縮感がありいきいきとした果実味やミディアムボディの仕上がりといったサン・ジュリアン的な要素を感じることができます。
粘土石灰質の土壌を深い砂利質が覆っている75ヘクタールの土地から成っており、水はけがよい土壌のため、果実味やミネラル、ボリューム感などがつまったブドウが育てられています。カベルネ・ソーヴィニヨンが約60%、メルロが約40%の割合で植えられています。1ヘクタールに1万本の木が植えられており、平均樹齢は20年です。なめらかで柔らかいタンニンと豊かな果実味が特徴のワインがここで生み出されています。
シャトー・カマンサックの醸造
ブドウの収穫は手摘みで行われ、コンクリートタンクを使用し、発酵が行われています。1か月近くかけてゆっくりと発酵させ、マロラクティック発酵を行っています。
フレンチオークを使用し、17か月から20か月の間熟成されます。新樽比率は35%から70%と年によって異なります。セパージュは年によって異なりますが、カベルネ・ソーヴィニヨンが約50%から60%、メルロが約40%から50%と、作付比率と近い比率となっています。
シャトー・カマンサックの歴史・経営
シャトー・カマンサックは1855年、ナポレオン三世の命に応え、パリの万国博覧会に出品されたワインの1つです。メドック格付け5級に認定されたものの、長い間目立たない知名度の低い格付けワインでした。
1964年に、スペインのリオハのマルケス・デ・カセレスを所有しているフォルネール兄弟がシャトー・カマンサックを買い取り改革を行い、低迷していたシャトーを建て直し、現在もフォルネール家がシャトー・カマンサックを所有しています。
近代ワイン醸造学を語る上で外せない、ボルドー第二大学の教授を務めた天才醸造学者であるエミール・ペイノーの力もカマンサックの品質向上に大きく関わりました。また、数多くのワインのコンサルティングを手掛けるミッシェル・ロランがシャトー・カマンサックのコンサルティングも務めています。また、同じくコンサルトとして非常に著名な、5大シャトーのラフィットやマルゴーなども手掛けるエリック・ボワスノもシャトー・カマンサックの醸造を手掛けています。
シャトー・カマンサックの主な銘柄
シャトー・カマンサック
ヴィンテージにもよりますがカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロをほぼ同比率で用いることで、しっかりとした飲みごたえのある味わいながらも、メルロ由来のまろやかなタンニン、シルキーな舌触りを感じることができ、また、土壌によるミネラル感や赤系果実のフルーティーで豊かな味わいも感じられる、バランスがよいワインに仕上がっています。 醸造の欄でも触れていますが、ゆっくりと時間をかけて30℃ほどを維持して発酵と抽出を行うことで、ほどよい重みとバランスのよさを実現することができました。
牛肉や仔牛肉などのお肉の味わいがしっかりと感じられるお料理や、ラム肉などの甘みや旨みがよく出るお肉料理との相性も抜群です。また、ワインの主張が強すぎずお料理に合わせやすい味わいなので、気軽に取り入れられるワインです。
ラ・クロズリー・ドゥ・カマンサック
年間約8万本の生産。セパージュはシャトー・カマンサックと同じく、カベルネ・ソーヴィニヨンが約50%、メルロも約50%となっており、収穫も同じく手摘みで行われています。
エレガントな樽香とまろやかなタンニン、赤スグリやカシスなどの豊富な果実味を楽しむことができる、優しい味わいが特徴のワインで、シャトー・カマンサックに比べ、早い段階から飲むことがおすすめされます。バゲットにゴートチーズ、ソーセージなどのお食事に合わせても相性抜群で、またワイン単体でも飲み飽きずに楽しむことができます。