レオン・ベイエ

Leon Beyer

ベイエ家は、アルザスワインを、長年にわたって造り続けている著名な生産者の一つです。「フレンチ・ガストロノミーの権威」とも言われ、世界中の一流店で採用されている、食事とのマリアージュを楽しむためのワインです。

レオン・ベイエの歴史

ベイエ家の歴史は、1580年から、アルザス地方エギスハイム村でワイン造りを始めたことに始まります。エギスハイム村はフランス北東部に位置し、ハイクオリティなアルザスワインを生産することで有名な村です。今ではアルザスワイン街道の中でも、特に人気が高い村です。

その後、エミール・ベイエがその地に、直訳すれば「アルザスワインの家」という会社を村の中心に設立しました。その名前に、彼の意気込みが感じられます。第一次世界大戦後は、城壁外に移りました。その事業を11代目レオン・ベイエ・シニアが継承し、ここにレオン・ベイエの名前がはじめて登場しました。彼は、エギスハイム村の村長にもなりました。その後、12代目のレオン・ベイエ（同じ名前でややこしいですが）が事業を引き継ぎ、父親と同じように市長も務め、またアルザス大使としてアルザスワインの普及にも貢献しています。

なかでも、彼自身は、教養深いエピキュリアンでしたが、同時にガストロノミーに傾倒し、フランスやヨーロッパだけにとどまらず、世界中のレストランをめぐりました。その中で知り合った名だたるシェフたちは、彼をフレンチ・ガストロノミーの権威と称しました。

そこから、ワインと食事、ワインと文化、ガストロノミーとアルザスワインを追求するレオン・ベイエの方向性が生まれたのです。その後、12代目レオン・ベイエから、現在は、13代目マルク・ベイエがメゾンを運営しています。マルクもまた、同様の価値観をもち、レオン・ベイエの運営にあたっています。

レオン・ベイエの特徴

レオン・ベイエがあるエギスハイム村は、「フランス人の一番好きな村（2013）」、「フランスの最も美しい村」に選定されている、アルザスワイン街道上の人気の高い村です。エギスハイム村は、城を中心に街が同心円状に広がり、古代の城壁が三重に取り囲んでいます。エギスハイム村のブドウ畑は300ha以上あり、アルザスでは群を抜いています。

その中で、ベイエ家のブドウ畑は50haで、そのうち、エギスハイム村周辺のアイクベルクとフェルシグベルクのグラン・クリュ20haが含まれています。そのほかにも、レオン・ベイエと契約している地元の優良ブドウ栽培農家からもブドウを調達しています。醸造は、代々受け継がれてきた伝統の技術に、最新の手法も取り入れられ、注意深く行われています。

レオン・ベイエのワインの約70％は、フランス以外の海外に向けて輸出され、世界中のレオン・ベイエファンの元に届けられます。

レオン・ベイエの評価

世界の有名シェフたちがレオン・ベイエを、「フレンチ・ガストロノミーの権威」と呼んだように、レオン・ベイエのワインは、自己主張せず、おいしい食事と究極のハーモニーを奏でます。世界中の最高級レストランのワインリストにレオン・ベイエのワインが掲載されていることが、それを証明しています。

イギリスの著名なワイン評論家ヒュー・ジョンソン氏は、彼の著作の中で、「レオン・ベイエのワインがもっとも力強かった。ワインにはしっかりとした枠組みと厚みがあり、ドライでしっかりしている。そのスタイルは伝統的でさえあった」と紹介しています。

代々続く伝統のラベルをまとったレオン・ベイエのワインは、ガストロノミーに捧げられています。日本語で美食学と訳されるガストロノミーですが、レオン・ベイエのワインこそが、それにふさわしいものでしょう。レオン・ベイエからマルク・ベイエに続くガストロノミーの系譜が、レオン・ベイエのワインと食事のマリアージュ、そして、レオン・ベイエのワインを文化、芸術の域にまで到達させることを可能にしています。