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リベラ・デル・デュエロ Ribera del Duero

スペイン産の高級赤ワインで最も知名度が高く、一般的にプレゼントやワイン会の目玉として出すと一番喜ばれるワインと言えば、間違いなく「ウニコ(UNICO)」だと思います。そのウニコが造られるスペインの産地こそが、このリベラ・デル・デュエロです。

リオハ同様にフランスがフィロキセラに襲われたとき、ボルドーのワイン商が最新の醸造法や小樽での熟成を伝えた事で、品質が向上した地域でしたが、ワイナリーは殆ど無く、唯一ウニコを造るヴェガ・シシリアが高い評価を得ていたような地域でした。

立地的にはスペイン北部に位置し、リオハから南西に位置するリベラ・デル・デュエロ。標高800メートルという高台に位置し、収穫時の平均気温は約15度と、リオハの約18度に比べても低い。とはいえ、夏の日中は暑く35度近くまで上昇するが、夜はそこから20度以上下がることもある、寒暖の差の大きな地域。これがブドウに豊富な酸と凝縮感を与えます。冬場は氷点下10度以下になることもある程に厳しく、日本でいう北海道に近い気温差がある。東西にドゥエロ川が横切っており、この川は遥かポルトガルまで続き、ポルトガルに入ると有名なドウロ川になります。

リベラ・デル・デュエロの代表、ウニコを造るヴェガ・シシリア


リベラ・デル・デュエロを代表する生産者と言えば、ヴェガ・シシリア。スペイン最高のワインと言われるウニコを生産する造り手です。

1864年にフランスのボルドーでワイン造りを学んだドン・エロイ・レカンダによって創立されました。年代から見て、ボルドーがフィロキセラに襲われたのを機にこのリベラ・デル・デュエロに移ったと推測されます。この頃既にメドックの格付けが制定されていたボルドーは、世界的に見てもワイン造りの最先端。その最新の醸造技術と古樽による熟成方法と共に、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベックといったフランス産のブドウも持ち込んだそうです。

スペインを代表する高級ワイン品種であるテンプラリーニョに、このフランス系品種をブレンドし造られるワインが高い評価を受け、ヴェガ・シシリアはその名を高めていきます。

中でも、良年にしか造られず、リリースまで10年の熟成を必要とするウニコが高級ワインとしての地位を確立。それがリベラ・デル・デュエロの産地としての価値を高めていきました。

リベラ・デル・デュエロの産地としてのポテンシャルを示したペスケラ、そしてピングスへ


ヴェガ・シシリアが引っ張ってきたリベラ・デル・デュエロですが、1982年にDOに登録された時には、20軒ほどのワイナリーしかありませんでした。ヴェガ・シシリアという突出した生産者の評価は高かったのものの、産地としてのブランド力はまだ乏しかったのです。

それを打開したのが、ペスケラというワインです。

1972年にリベラ・デル・デュエロで生産をスタートしたアレハンドロ・フェルナンデスは、ヴェガ・シシリア以外の生産者が質より量重視のワイン造りを行う中、徹底した高品質ワイン造りを目指しました。リベラ・デル・デュエロこそが最良のテンプラリーニョを造る土地だと確信し、ペスケラを完成させます。1980年代に入ると、当時急激に評価を上げていたワイン評論家のロバート・パーカー氏が「スペインのペトリュス」と評したのをキッカケに、ペスケラはスターワインとしての地位を獲得します。

ウニコの他にもペスケラという傑出したワインが生まれたことで、リベラ・デル・デュエロに対する注目は一気に高まります。1980年代初頭は20軒しかなかったワイナリーは、現在200軒を超えます。

1995年に初リリースとなったピングスが、ファーストヴィンテージとしては史上初となるパーカーポイント100点満点を獲得し、今や良年のヴィンテージ品は10万円以上するワインになっています。

今ではリオハを追いかけるライバルと呼ばれるほどに注目されているリベラ・デル・デュエロ。産地としての格はまだリオハに劣るものの、ウニコのような突出した高級ワインはむしろリオハよりこのリベラ・デル・デュエロから輩出されています。

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