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ティズウェル・ワインズ

Tidswell Wines


ティズウェル・ワインズは、オーストラリア最大のワイン生産地、南オーストラリア州で1994年に設立された家族経営の小規模ワイナリーです。自社畑のブドウのみを使用し、飲み頃にならないと出荷しないというポリシーを貫いています。

規模が大きくない上にブドウを厳しく選定するため生産量は多くありません。丁寧に造られるワインの品質は高く、大手ワイナリーがひしめく南オーストラリア州で独特の個性が光る存在です。

ワイン生産地としての南オーストラリア州


オーストラリアのワイン生産において、南オーストラリア州はアメリカにおけるカリフォルニア州に等しい存在です。オーストラリア全土の収穫ブドウのおおよそ48%がここで加工されています。オーストラリア国内のワインやブドウに関する研究機関のほとんどはこの州内にあります。ワイン州にふさわしく、州都アデレードはブドウ畑に囲まれています。州内の最も有名な生産地はバロッサ・バレーとクナワラです。

南オーストラリア州に最初に移民が入植した1836年当初からブドウ栽培は盛んに行なわれるようになりました。ヨーロッパからの移民はワインの醸造技術を持ち込み、新天地でのワインの品質向上に努め、国内最大のワイン生産地に成長する基礎を作りました。

バロッサ・ヴァレーやアデレード・ヒルズの由緒ある古いブドウの木は、19世紀後半に欧州各地・北米、さらにオーストラリア東部のブドウ園を襲ったフィロキセラの被害から免れています。世界的なワイン産地から遠く隔てられた土地であった上に、この地では早くから厳しい検疫規制が設けられていたからです。そのため、1850年代から栽培されている古いブドウの木々が今も残っています。フィロキセラの被害に関して、隣接するヴィクトリア州の状況は非常に対照的で、ヴィクトリア州では被害によりワイン産業の停滞が余儀なくされています。

広大で古い歴史を持つオーストラリアの大メジャー生産地、南オーストラリア州。この地でティズウェル・ワインズ は静かに独自路線を歩んでいます。

ティズウェル・ワインズの特徴


畑の半分はOVOA(Organic Vignerons of Australia)認証。ビオディナミ農法も一部採用しています。ワインは全てシングルヴィンヤードのブドウを使い、テロワールの個性を最大限に引き出す努力をしています。このような選択は、広大な土地で大規模経営を行うワイナリーが多くを占める南オーストラリア州では非常に稀有です。

ワイン造りには所有する138haの畑のブドウのみを使用。元来小規模な上に、良い区画・良いブドウのみを厳しく選定するため生産量は多くはありません。一貫したポリシーで丁寧に造られるワインの品質は愛好家の気持ちをしっかりつかんでいます。

ティズウェル・ワインズのワイン造り


ワイナリーの所在地は南オーストラリア州最南端の海岸地帯ライムストーンコースト。この一帯はその昔海だった場所で、砂利や砂を多く含み排水性に優れ、ぶどう栽培に適しています。赤ブドウ品種はテラ・ロッサ(石灰岩の風化によりできた固い土壌。石灰に含まれる炭酸カルシウムが溶け出し、後に残った鉄分などが酸化したために赤紫色)を多く含む区画で栽培されます。

日射量が多い地域独特の果実味を持った白、パワーがありながらデリケートでエレガント、かつフルーティーな中にも十分なタンニンとボディを持つ赤は、この土壌で育まれたブドウから生まれます。

ワイナリーの醸造責任者はペット・トカシュー。優秀な生産チームを結成し、ウェル・ワインズ社のすべてのワインはペット・トカシューの妥協を許さない厳しい管理のもとで造られています。

赤ワインは南オーストラリアらしい力強さを持ちながら繊細でエレガントに仕上げられ、白ワインは、ライムストーン(石灰岩層)由来の豊富なミネラル分と豊潤な酸が見事にバランスの取れたワインに仕上げられます。

気候・土壌の特徴を最大限に活かしたブドウ栽培とワイン醸造。さらに、消費者の手元に届いてすぐに楽しんでもらえるよう、飲み頃を迎えてはじめてする姿勢を貫いています。

ティズウェル・ワインズの主要商品ラインナップ


ティズウェル・ワインズ カーヴス・ロード・シャルドネ

ライムストーンコースト北部ブール・ラグーンの自社畑100%のシャルドネ使用。メロンやパイナップルを思わせるフレーバー。桃やオレンジ、ハチミツ、シナモン、ナッツなどが複雑に香ります。ふくよかな香りながら、ファーストアタックは意外にドライ。

アルコールは強めで、樽からくるスパイシーな甘さが楽しめます。肉料理と合わせたくなるような南オーストラリアらしい骨太なシャルドネです。

ヒースフィールド・リッジ シラーズ

ローストされたアメリカ製の大樽で約18ヵ月間熟成し、タンクで熟成されたワインとブレンド。旧樽使用ながら、ふくらみのあるリッチなオークの風味を感じます。果実味は柔らかくボリューム感にあふれています。

カシスリキュールや黒糖を連想させる甘い風味があり、タンニン・酸はとてもシルキー。いかにも南オーストラリアのシラーズらしい味わいです。

ヒースフィールド・リッジ カベルネ・ ソーヴィニヨン

マセラシオン(種皮と果汁の浸漬)は他の品種より3〜4日ほど長め。透けて見えないほど漆黒の色合いと強い粘性。豊かなタンニンと酸味が溶け合い、果実味に木樽由来のチョコや土っぽい風味が広がり深いコクとビターな印象が残ります。濃厚なソースを添えたステーキに合わせていただきたい力強いカベルネ・ソーヴィニヨンです。

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