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モーゼル
Mosel
モーゼルはドイツワインの一大産地で、モーゼル川沿いに位置します。世界的に見てもモーゼル川流域のワイン生産地のように渓谷沿いの急斜面に葡萄畑が広がる地域は珍しいと言われています。モーゼル川流域と渓谷は、ドイツの中では最も温暖な地域です。この地域はスレート土壌が基礎となる地域が多く、スレート質が日中の太陽の熱を蓄積し、夜間に放熱するため葡萄の成長には適していると言われています。
ワイン特定生産地域「ベライヒ」とモーゼル地方のベライヒ
ドイツ国内ではワインの特定生産地域のことをベライヒと言いますが、モーゼル地方には6か所のベライヒがあります。
ブルク・コッヘム(テラッセンモーゼル)
ベルンカステル
オーバーモーゼル
モーゼル地域のワインの特徴
先に述べたように、モーゼル流域の生産地は広大な規模の土地に6か所のベライヒがあります。中でも高品質のリースリングの栽培は有名で、その品質の高さは世界中から注目されています。
リースリングが栽培される流域はシュヴァイヒからコブレンツまでの地域で土壌は石灰質の混ざっていないスレート土壌です。この痩せた土壌のおかげで葡萄の木が地中深くまで伸び、結果ミネラル分たっぷりのリースリングを生み出すことになるのです。特にザール地方のリースリングはザール・リースリングと呼ばれ、他のモーゼル産リースリングと格が違うと言われます。
ドイツのワイン階級では、モーゼル地域のリースリングはシュペトレーゼの辛口、アウスレーゼの辛口が多いといわれています。モーゼル産のリースリングは酸味が強いためドイツ料理に良くマリアージュすると言われています。一方でオーバーモーゼル一帯は貝殻石灰岩土壌のムッシュカルク、砂や粘土、炭化物、マール等などを含む泥土岩で構成される土壌のコイパーが主体となり、土着品種のエルプリングの栽培に相応しい地域となっています。土着品種のエルプリングはフレッシュかつフルーティーさが魅力で辛口の白ワインや発泡ワインゼクトにブレンドされたりします。
ドイツのワイン格付け
ドイツのワイン格付けで考え方の基本となっているのが、収穫された葡萄の成熟度とワイン醸造のプロセスが大切で、それゆえに高品質ワインが完成するというものです。土地のテロワールを絶対視するフランスのAOCとは違いますね。ドイツでは6つのワイン階級が存在してます。先に紹介したカビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼに加え、ベーレンアウスレーゼ、トロッケンベーレンアウスレーゼ、アイスヴァインです。
カビネット
シュペトレーゼ
アウスレーゼ
ベーレンアウスレーゼ
アイスワイン
トロッケンベーレンアウスレーゼ