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シャトー・クーアン・リュルトン

Chateau Couhins Lurton

ボルドーのグラーヴ地区、A.O.Cペサック・レオニャンで作られている、グラーヴ格付ワインの1つが、シャトー・クーアン・リュルトンです。

シャトー・クーアン・リュルトンの土壌・環境


ペサック・レオニャン地区のワイン作りは非常に古い歴史を持ちますが、A.O.Cペサック・レオニャンはボルドーの中で最も新しい呼称です。ここはほとんど高さのないなだらかな丘の名残がある土地で、ガロンヌ川の支流があることによって自然な排水システムがあるワイン作りに適した土地です。

グラーヴの土壌は河川の作用によって生じた8メートルの深さのある堆積物から成り、第三期の石灰質土壌の上に、第四期の間にガロンヌ川からの堆積物によってできた旧層で構成されています。上層の砂利や小石の存在により、太陽光が反射し、ブドウの日照時間が増え、ブドウの成熟が促進されています。

シャトー・クーアン・リュルトンの歴史・経営


グラーヴで格付けされているシャトー・クーアンの一区画をアンドレ・リュルトンが手に入れ、そこでアンドレ・リュルトンにより作られているワインがシャトー・クーアン・リュルトンです。

シャトー・クーアンはもともとガスクトン家とアナピエ家が所有していたシャトーで、1968年にこのシャトーが2分割され、シャトー・クーアンはフランス国立農業研究所が、もう1つをアンドレ・リュルトンが所有することになったことから、シャトー・クーアン・リュルトンの歴史が始まります。

シャトー・クーアンはガスコーニュ地方の古い方言で境界、境目といった意味があり、この土地は小川沿いのオルノン伯爵領の境界に位置していました。17世紀まではシャトー・カルボニューのみがここを所有しており、アンシャン・レジーム(フランス革命以前のフランス封建的王制下の政治・社会制度)のもとブドウ畑になったと記録文書で確認することができます。

1880年代には、よく知られているボルドーのネゴシアン、コンスタンティン・アナピエが、すでにサン・テステフのシャトー・カロン・セギュールやカプベルン・ガスクトンの所有者であったガスクトン家の財産であったブドウ畑をガスクトン家との結婚によって手に入れることになり、開発が進んでいきます。1910年頃までは生産されるワインの90%が赤ワインでしたが、この頃に、白ワインが彼らのワイン醸造の中心となっていきます。エドゥアール・ガスクトンがシャトー・デュ・ポン・ドゥ・ランゴンを買い取ったことで、合わせて60ヘクタールの土地を所有し、特別なクリュのイメージが持たれるほどに力をつけていきました。

1950年代にはシャトー・クーアンは羨望の的となり名声を手に入れ、1樽6万フランほどの値が付くなど、グラーヴワインの代表のような位置づけになっていき、1955年の格付けではグラーヴ・クリュ・クラッセに選ばれました。

しかし、1962年にエドゥアール・ガスクトンが亡くなったことにより困難を余儀なくされ、後継者たちは経済的な選択を迫られたことにより、1968年にアンドレ・リュルトンにこの土地を使用する権利を譲り、シャトー・クーアン・リュルトンが誕生することとなりました。

シャトー・クーアン・リュルトンとしてはまだ50年程度と比較的新しいシャトーと言えますが、もともとのシャトー・クーアンはこのように古い歴史を持っています。

ボルドーでも有数のワイン企業である家族経営のアンドレ・リュルトン社は、ボルドーに600ヘクタール以上のブドウ畑を所有し、シャトー・ボネやシャトー・ラ・ルヴィエールなどその他のシャトーと共に、シャトー・クーアン・リュルトンを経営しています。

シャトー・クーアン・リュルトンの主な銘柄


シャトー・クーアン・リュルトン・ブラン

セパージュはソーヴィニヨン・ブラン100%。オーク樽で発酵させ、10か月間熟成されています。よく熟したグレープフルーツやレモンなどのフルーツ、はちみつ、アカシアなどの豊かな花のアロマ、白桃やネクタリンなどフルーティーな味わい、複雑みと美しい余韻を楽しめる白ワインです。

樽香が利きすぎてはいない、洗練された奥行きを感じられる仕上がりとなっています。アカザエビのリゾットやメカジキのグリルステーキ、コンテやカベクーなどのチーズとの相性も抜群です。

シャトー・クーアン・リュルトン・ルージュ

シャトー・クーアン・リュルトン・ルージュはシャトー・クーアン・リュルトン・ブランのようには格付けはされていませんが、名誉にかけて本物の高貴な赤ワインを作り出すことを保証しています。

セパージュはヴィンテージによりますが、メルロが約50%から80%、カベルネ・ソーヴィニヨンが約20%から50%の割合で作られています。

深みのあるほとんど黒に近いようなガーネット色で、カシスやグリオットなどの豊かな香り、まろやかなタンニンとアルコールの力強さ、エレガントな余韻が感じられます。ホロホロ鳥のロティやウズラのファルシ、オマールの殻焼きコニャック煮込みなどと良く合います。

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