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リュベロン

Luberon


リュベロンは、それに関わる全ての人たちの努力によって、1988年AOCに昇格し、以前のコート・デュ・リュベロンから、リュベロンに名前が変わりました。最近は、名だたる俳優や実業家が、この地のワイナリーに参画するなど、大手から新興のものまで注目のワイナリーができて、リュベロンの名前は世界に知れ渡りました。今、南仏で最も注目される産地の一つです。

リュベロンのワインの特徴


リュベロンのワインは、リュベロンがローヌ地方とプロヴァンス地方の中間に位置する位置関係から、ワインも、引き締まったボディの力強い味わいのローヌワインとフルーティでマイルドな味わいのプロヴァンス地方のワインの両方の個性を引き継いでいます。

ロゼや白も造られていますが、やはりメインは、シラー種からの赤ワインです。シラー種の他には、グルナッシュや、サンソー、カリニャンなども栽培されています。赤ワインは、フルボディの熟成を経ることによってその味わいが深まるものから、フレッシュでフルーティなカジュアルなものまで幅広く造られていますが、熟成に耐えるしっかりした造りのワインが多いようです。

リュベロンは、AOCとして単一品種は認めていません。複数品種のブレンドが求められています。最近のリュベロンでは、大手ワイナリーが造るコスパのいいワインも注目されています。

リュベロンの歴史


リュベロンはリュベロン地方自然公園の中にあり、小さな美しい村々が点在しています。その中の一つに、鷲の巣村の別名をもつ、ゴルドがあります。11世紀には、村の頂上に城塞が建てられ、12世紀には城壁も建てられたという長い歴史があります。

また、その穏やかな気候と豊かな自然に魅せられた多くの芸術家たちが住んでいました。まるで一幅の絵のような美しい村で造られるワインが、リュベロンのワインです。

リュベロンのロケーション


リュベロンは、フランスを南北に流れるローヌ川に沿った、フランス南東部に位置しています。ローヌ川沿いには多くのブドウ畑がありますが、ヴァランスを過ぎてしばらくの間、ブドウ畑が途切れます。その後、南に進むと、東西に広大に広がるブドウ畑の中を流れるようになります。そこがまさに、リュベロンです。つまり、リュベロンは、南部ローヌの最南端に位置しています。もう少し下れば、地中海です。気候は、地中海性気候で、温暖で降雨量が少なく、ブドウの栽培には最適です。

リュベロンのブドウ畑


リュベロンには、およそ4200haに及ぶ広大なブドウ畑が広がっています。ブドウ畑は、地中海からの距離が30km前後のところにあり、まさに地中海式気候のただなかにあります。

また、ブドウ畑は丘や平原、高原や大地など、多彩な地形にありますが、多くの畑は南側の斜面にあり、十分な日差しを浴びることができます。

土壌は、小石混じりの粘土層、丸石、砂地質や石灰質土壌など多様なため、多種多様なワインができます。この地域では、冬季にミストラルと呼ばれる乾燥した強い風が吹きます。そのせいで、ブドウの木は低く剪定されています。また、乾燥した気候はブドウの木に病気を発生させにくくするため、減農薬、無農薬のビオワインが多く造られています。

リュベロンの著名生産者


シャトー・ラ・カノルグ

リュベロン地域内ボニョーにある、リュベロンを代表するワイナリーです。現在は4代目のJPモルガン氏が、お嬢さんのナタリーさんと栽培・醸造を手掛けています。70年代から有機栽培に取り組んでいます。JPモルガン氏によると、限りなく伝統的なワイン造りを目指しているとのことで、ハイクオリティなワインを造っています。

ミッシェル・シャプティエ

ローヌ地方を代表する、現在は、7代目のミッシェル・シャプティエ氏が指揮を執る、歴史を誇る家族経営のワイナリーです。M.シャプティエのセレクション・パーセレルは、パーカーポイント100点満点を何度も獲得しています。テロワールの個性を忠実にワインに表現したワインは、世界中にファンを持っています。1996年よりすべてのラベルに点字が施されています。

グランカラモン

森のワイナリーと呼ばれるグランカラモンは、2004年、スーゾンデラグラープ家が始めた小さなワイナリーです。リュベロン自然国立公園に囲まれ、デュランス川に面したカラモンのブドウ畑では、森の生態系と共存するエコロジーなワイナリーです。