フランスで最も古い歴史を持つワイン産地、 プロヴァンス。


プロヴァンスと言えば ロゼ がすぐ思い浮かびますが、イメージの通り地中海を望む海辺のバカンスにピッタリなロゼの生産量が圧倒的に多いものの、 赤ワインや白ワイン でも高品質なワインが一部で造られています。


プロヴァンスではその長い歴史の割には アペラシオンが非常に少ない のですが、限られた一部地域に設けられたアペラシオンのワインは、それぞれが 個性あるハイレベル なものです。



その中の一つが カシー、 日本ではカシスと呼ばれたりしますが、現地の発音は前者です。


そしてカシーで有名なのはロゼではなく白ワイン、プロヴァンスの名物料理 ブイヤベースと合わせてピッタリ の銘柄として知られています。



ドラジェで今回ご案内するのは、卓越した伝統の味を守り続ける少量生産ワイナリー、 クロ・サント・マグドレーヌ が造るカシー・ブラン。


有機栽培に取り組み「AB」(AGRICULTURE BIOLOGIQUE)からの認可も受けています。


クロ・サント・マグドレーヌの畑は地中海に突き出した岸壁にあり、テラス状にある20ヘクタールの段々畑、樹齢15年から40年、カシーの街を見下ろす位置にあり、山に囲まれて海風が入り込んで来るという 特別なミクロクリマ です。


この畑は19世紀末には開墾され、1900年にパリで行われた万博で白ワインが金メダルを獲得した歴史もあります。



中世からフィロキセラに見舞われるまでの間は、マルセイユの司教によってカシーのワインは丹念に造られていました。


その災害後、この村の畑はクロ・サント・マグドレーヌの前オーナーである、ジュール・サヴォンらによって復活を遂げます。


こうした背景もあって、カシーは A0Cシステムが1936年に採用されるとすぐに認可 され、限られた土地ながら現在はカシー全体で11の畑があり、200ヘクタール近くの面積を有するようになりました。



クロ・サント・マグドレーヌのカシー・ブランは、マルサンヌ・クレレット・ブールブーランのブレンド。


白い花にスパイス、コショウ、ミントのアロマに少々蜂蜜のタッチを持ち、豊かで滑らかな口当たり、 王道のブイヤベースと合わせて、抜群のマリアージュが楽しめる白ワインとなっています。