フランス・ロワールの アンジュ＆ソミュール地域 は甘口ワインの一大産地です。


一括りに甘口と言っても、口の中でとろける蜜のような味わいの物から、スッキリと優しい甘味の物まで、 様々なタイプのワイン が存在。


コトー・デュ・レイヨンやボンヌゾーといった銘柄は、貴腐や過熟による濃厚な甘味を持ち、長期間の熟成に耐えうるポテンシャルを備えており、時に数万円の値をつけるような高級甘口ワインを産み出します。


その一方で、 アンジュ・ブラン のように、爽やかな甘さで飲みやすく手頃な価格で手に入る銘柄は、昔から日本でも好まれ消費されてきました。



この地を代表するブドウ品種 シュナン・ブラン は、石灰質の土地を好んでよく育つ白ブドウ、つまりロワールの土壌に非常に適しており、その別名として地域名を冠し 「ピノー・ド・ラ・ロワール」 と呼ばれる事も。


これといった個性に欠ける品種という評論もありますが、冷涼な気候の中では引き締まった酸味が魅力的な白ワインとなり、遠く南アフリカでは最も栽培されているブドウとして重要な位置を占めています。


蜂蜜やメロンのような甘い香りも特徴で、辛口・甘口・スパークと 造り方次第で様々な顔を見せ、 熟成させるとより複雑な味わいに変化。


こうした魅力もあって、ロワールでは古くからシュナン・ブランが好まれ現在も広く栽培されており、 この地の白ワインのほとんどが指定品種 という状況にまでなっていますが、同じシュナン・ブランから多様なワインが造られてきました。



今回ご案内するのは、ロワールの生産者 カーヴ・ド・ランジュヴァン が造るシュナン・ブランのお手頃白ワイン。


アペラシオンは アンジュ・ブラン、 すっきりとした甘味と柔らかな酸味により、甘酸っぱい味わいの楽しめるやや甘口タイプとなっています。


お値段も手頃なので、普段は辛口ばかりしか飲まない方も、 シュナン・ブランの多彩な一面を体験するのにオススメの1本 だと思います！