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ラインヘッセン
Rheinhessen
ラインヘッセンは、ドイツQmP、QbA(地域指定優良ワイン)における特定生産地帯13の一つで、ドイツ南西部に位置しています。ラインガウとはライン川をはさんで対岸に位置しています。
ラインヘッセンは、ドイツのブドウ栽培面積のほぼ25%近くを占めるドイツ国内では最大の栽培規模で、畑の総面積はなんと26,600haです。当然、その生産量も多く、多くが輸出されていますので、ドイツワインを初めて手にする人が、ラインヘッセンを選ぶ可能性は大です。生産量の多さからだけでなく、この地のワインが、穏やかな酸味に加え、マイルドで、どなたにもわかりやすく、飲みやすいからだといえます。
ラインヘッセンのワインの特徴
ラインヘッセンでは、ミュラー・トゥルガウを最も多く栽培しています。これから造られるワインは、さわやかなフルーティさが際立つ、口当たりの良いワインとなります。ミュラー・トゥルガウからのワインは、ラインヘッセン一押しのワインです。
一方、この地域では、白ブドウ品種のシルヴァーナーを世界で最も栽培しています。これから造られるワインも、まろやかで、コクがある果実味豊かなものです。
また、ラインヘッセンといえば、リープフラウミルヒが思い出されます。「聖母の乳」という意味のこのワインは、元々は、ラインヘッセン地区内のヴォルムスにある聖母教会にちなんだもので、本来は、その教会のブドウ園でだけで生産されていました。幼子イエスに授乳するマリア様が描かれているラベルと、口当たりの良い甘口ワインゆえ、日本でもたいへん人気があります。
ラインヘッセンの歴史
ラインヘッセン地区内では、リープフラウミルヒを最初に作った聖母教会があるヴォルムスが、たくさんのワイン醸造所があるワインの町として中心的な地位を得ています。一方、ヴォルムスの歴史は、ローマ帝国が駐屯地を置いたことに始まり、とても長い歴史を誇っています。また、ライン川の中流の交通の要所にあったため、交易が盛んで、そのことはワイン業が盛んになった一つの要因でもあります。ラインヘッセンの名は、1816年から1919年までこの地を領有していたヘッセン大公国の領地名にちなんでいます。
ラインヘッセンのロケーション
マインツの近くで、ライン川が南から北へ流れを大きく変え、「ライン川の膝」と呼ばれ、蛇行しながら流れている、まさにそこにラインヘッセンはあります。そしてこの辺りはなだらかな丘陵地帯でもあり、「千の丘陵地」と呼ばれています。
西にはナーエ川、北と東にはライン川が流れています。先ほどのヴォルムスとアルツァイ、マインツ、ビンゲンの4市を結んだほぼ四角形の地域が、ラインヘッセンです。
また、ラインヘッセンは、まわりにオーデンヴァルト、タウヌスなどの山々が連なり、年平均気温は11℃と、ドイツで最も温暖な地域の一つです。その上、降水量が少なく、日照時間も長いので、ブドウ栽培には理想的な気候です。気候条件に恵まれて、良質のブドウを造ることができるのです。
ラインヘッセンのブドウ畑
ラインヘッセンのブドウ栽培総面積は26,600haあり、ドイツ最大です。この地域の土壌は多様で、それぞれ個性的で、様々な品種のブドウが造られています。3つのベライヒ(ニァシュタイン、ビンゲン、ヴォンネガウ)をはじめ、グロースラーゲ(総合畑)が24、アインツェルラーゲ(単一畑)が432あります。
また、ライン川流域のラインテラス、あるいはラインフロントと呼ばれるエリアと、その背後のヒューゲルラントと呼ばれるエリアに分けられます。ラインフロントは、古くからワイン造りが盛んで、オッペンハイム、ニアーシュタイン、ナッケンハイム、ボーデンハイム、インゲルハイム、ビンゲンなどの有名な村があります。
ラインヘッセンの著名生産者
ケラー醸造所
グンダーロッホ醸造所
ハイル・ツー・ヘルンスハイム醸造所
ヴィットマン醸造所