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カルミニャーノ

Carmignano


カルミニャーノは、イタリア半島付け根、リグリア海側のトスカーナ地方のDOCG赤ワインです。

カルミニャーノの名前は聞いたことがあるけれど、お目にかかったことも飲んだこともないという方が多いかもしれません。なにしろ、このカルミニャーノワインの地域はDOCGワインの中で最も小さいからです。生産者は僅か10社程度ですので、なかなかお目にかかれないのも無理からぬことです。

カルミニャーノのワインの特徴


カルミニャーノの赤ワインは、鮮やかなチェリーピンクをしています。そしてブドウ本来の香りがする、酸味、タンニンの調和がとれた、なめらかで飲みやすい洗練された味わいのワインです。トスカーナ地方ではポピュラーなサンジョヴェーゼ種をメインに、カベルネ・ソーヴィニヨン種やカナイオーロ種も使用しています。

なぜ、イタリア固有種のサンジョヴェーゼ種に、外来種であるカベルネ種をまぜることになったのか、そのいきさつは歴史の項で詳述しますが、カルミニャーノで造られる赤ワイン、カルミニャーノは、カベルネ・ソーヴィニヨン種を使用することが、DOCGによって規定されているのです。

そして同様にDOCGによって、収穫から販売までの期間も細かく指定されています。カルミニャーノは収穫してから2年後の1/1までは販売することが許可されておらず、少なくとも8か月(レゼルヴァは、12か月)、木樽で熟成する必要があります。レゼルヴァは更に熟成期間が長く、収穫後3年たった、サン・ミケーレの日(9/29)のお祭りまで解禁されません。

カルミニャーノの歴史


この地は、古来より農作物がよく育つ地として有名で、この地で農耕が始まったのは今から3000年前ぐらいではないかと考えられています。

カルミニャーノが、イタリア固有のサンジョベーゼに、フランス原産であるカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドすることが規定されているのは、その歴史が大きく関係しています。それは1533年、メディチ家のカテリーナと、フランス国王アンリ2世とが結ばれたことに始まります。そのことによって、両家、両国の交流が始まり、フィレンツェにボルドーワインが伝わりました。ボルドーワインを好んだメディチ家が、カルミニャーノワインにカベルネ種をブレンドするように命じたことが始まりです。こうして、今のカルミニャーノスタイルのワインがスタートしたのです。

カルミニャーノのロケーション


カルミニャーノは、北イタリア、イタリア半島の付け根にある、トスカーナ州の丘陵地帯で造られるDOCGワインの名前であると同時に、人口14000人のコムーネの名前です。

カルミニャーノは、トスカーナ州のフィレンツェから西に20kmのところにあります。カルミニャーノワインが造られる地域は、フィレンツェ県とプラート県にまたがる一部で、DOCGとしては最狭の範囲です。周りを山に囲まれ、南北の麓に、川が流れているという恵まれた立地です。気候は、大陸性気候で、夏季の気温の日較差が大きく、ワインの生産に適しています。

カルミニャーノのブドウ畑


四方の山のすそ野に広がる丘陵地帯の標高は、200m〜600mとバラツキがあります。また土壌は石灰分が入った粘土質が多く、場所によっては砂や小石混じりのところもあります。それぞれの畑の場所、土壌によって、それに合わせたブドウ栽培が丁寧に行われています。

夏の夜、北西のアベニン山脈から吹く風によって気温が下がり、夏季の気温の日較差は大きくなります。しかしこのことによりブドウの糖度が増し、いいワインができるのです。独特の気候と、ブドウ造りに適した土壌、そして生産者の努力によって、カルミニャーノワインはワイン愛好家を魅了しています。

カルミニャーノの著名生産者


カペッツアーナ

カペッツアーナは、元々はメディチ家のためにワインを生産していたことがある、貴族出身の伝統あるワイナリーです。そして、歴史を誇るカルミニャーノ再興のために貢献したワイナリーであり、この地区のオーガニックワイン生産をけん引するワイナリーでもあります。また、ワインだけでなくオリーブオイルでも有名な生産者です。

ピアッジャ

ピアッジャはファーストヴィンテージが1990年という、比較的新しいワイナリーですが、イタリアのワイン評価誌「ヴェロネッリ」誌で度々高得点を獲得している実力派ワイナリーです。

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