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ラ・ロマネ La Romanee

「神に愛された村」と喩えられるヴォーヌ・ロマネ。ワインの実力、知名度、人気のどれをとってもこの村に勝るものはありません。世界最高のピノ・ノワールと称えられ、豊満で気品があり、その官能的なワインは世界中のワインラヴァーの垂涎の的となります。

これだけの人気を誇る理由としては、「ブルゴーニュの輝く宝石」とたとえられる8つのグラン・クリュがあることに他なりません。そしてその頂点で燦然と輝いているが、あのロマネ・コンティです。ロマネ・コンティは世界で最も高価なワインであり、その存在はすでに実体から離れ、神秘的で崇拝の対象ともなっているワインなのです。

ヴォーヌ・ロマネ村はコート・ド・ニュイ地区の、ヴージョ村とニュイ・サン・ジョルジュ村の間に位置します。ヴォーヌ・ロマネ村の北側には張り付くようにフラジェ・エシェゾー村があるのですが、この村にはアペラシオンが認められていないので、通常ヴォーヌ・ロマネのワインとして取り扱われ、ペアでひとつのエリアと位置づけられています。実際に特級畑であるエシェゾーとグラン・エシェゾーは、フラジェ・エシェゾー村にある畑です(フラジェとヴォーヌの村は境界をめぐってたびたび争いがあったようで、1599年に両村の境界をはっきりさせたという記録が残っています)。

ヴォーヌ・ロマネの8つのグラン・クリュ


ロマネ・コンティ(Romanee Conti)
ラ・ターシュ(La Tache)
ラ・グランド・リュ(La Grande Rue)
リシュブール(Richebourg)
ラ・ロマネ(La Romanee)
ロマネ・サン・ヴィヴァン(Romanee St.Vivant)
エシェゾー(Echezeaux)※フラジェ・エシェゾー村
グラン・エシェゾー(Grands Echezeaux)※フラジェ・エシェゾー村

ラ・ロマネ(La Romanee)0.85ヘクタール


ロマネ・コンティ、ラ・グランド・リュ、リシュブールに囲まれた僅か0.85ヘクタールの畑。これはフランス最小のアペラシオンとなる。畑はロマネ・コンティの上部に位置するため、標高は300メートル近くになる。ロマネ・コンティとの畑の間には小さな断層がある。

畑はドメーヌ・コント・リジェ・ベレールの単独所有。ドメーヌは1815年にルイ・リジェ・ベレールが設立。図面上では、もともと6つの区画に分かれていたラ・ロマネを、少しづつ買い取り、1827年に「ラ・ロマネ」として登記したあと、今日まで単独所有が続いている。

かつては耕作、醸造、販売を委託し、ワインは樽ごとブシャール・ペールエ・フィスに売却していたが、7代目に当たるルイ・ミッシェル・リジェ・ベレールは自らヴィニュロン(ブドウ栽培家)となり、2005年からは耕作、醸造、熟成、瓶詰、販売をすべてをコント・リジェ・ベレールにより行っている。生産本数は最大で4000本ほど。