ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア

Rossese di Dolceaqua

ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア(Rossese di Dolceaqua)。イタリアの北西部リグーリア州のDOCワイン産地です。隣国フランスとの国境に接するインペリア県の西南部、リグーリア州の東部の丘陵地帯にDOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクアを醸造するドルチェアクア村はあります。ロッセーゼ種で造る辛口の赤ワインを年間27万本生産と、大変小さなDOCとなっています。

この｢DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア｣は土着品種であるロッセーゼ種を95％以上使用、その他のアロマティックではない認定黒ブドウを5％以下使用という基準があります。リグーリア州のワインは白ワインが有名ですが、赤、白ともに生産量が非常に少ないのも特徴で、そのほとんどが観光地でもある地元で消費されるため、輸出されることは極めて少量となっています。

海沿いのリグーリア州でも、DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクアは山の中

リグーリア州といえば州都・ジェノヴァを中心とした美味しい海産物を楽しむ白ワインのイメージが強いと思われますが、DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクアのあるインペリア県の西南部にあるドルチェアクア村はフランスとの国境に接するネルヴィア渓流に沿って開けた土地にあり、海沿いではなく標高自体は低いものの山の中の丘陵地帯にあります。

そのため、土着品種である｢ロッセーゼ種｣を原料とする赤ワインを造っています。ブドウ畑の標高は600mを超えない高さにあり、土壌は石灰岩を含む砂質、粘土質、泥灰質のため水はけが非常によく、ミネラルも豊富に含んでいます。

口当たりが優しい赤ワイン用品種｢ロッセーゼ種｣

標高600mの山岳地帯であるドルチェアクア村。気候は穏やかな地中海性気候です。ほとんどの畑が南向きの斜面にあり、十分な日照を得る事が出来るのが特徴です。昼夜の寒暖差も大きくブドウの酸度を十分に保持したブドウを栽培する事が出来ます。このテロワール(土地の特性)を活かして栽培されているのが｢ロッセーゼ種｣。イタリア・リグーリア州インペリア県のみで栽培されている珍しい赤ワイン用の品種です。｢DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア｣と｢DOCリヴィエラ・リーグレ・デル・ポネンテ｣で使用されています。この｢ロッセーゼ種｣から明るいルビー色の果実味が豊かな風味を持つ辛口の赤ワインが造られています。

土着品種は数千種類。イタリアはブドウ品種の坩堝

イタリア国内で政府が公認している品種だけでも400種、非公認も含めると土着品種だけで数千種類と言われています。海沿い、山岳地帯と多彩な土壌で栽培されているため多様性に富んでいるのが特徴です。紀元前10世紀ごろからワイン造りが行われていたと言われています。イタリアには20の州があり、それぞれの土地や気候により伝統的な地方料理にも違いがあります。食事の一部としてワインも楽しまれていたため、個性豊かでバリエーションが豊富なブドウとワインが造られてきたと考えられています。｢DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア｣の原料となっている｢ロッセーゼ種｣も、数千種類のブドウの中の一つとなっています。

肉料理はもちろん、マグロや青魚でもOKの赤ワイン

｢DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア｣は黒ブドウ品種の一つである｢ロッセーゼ種｣を95％以上使用し、残りの5％はリグーリア州産の黒ブドウ品種を使った辛口の赤ワインです。アルコール度数は最低12％。上級に当たるスペリオーレは13％と定められています。

色はルビーレッド、バラやスミレ、ミントとエレガントな芳香を持ち、滑らかな口当たりが特徴です。果実味と酸味のバランスがとれた味わいの赤ワインです。当然、肉料理との相性は抜群ですが、海産物の豊富なリグーリア州のワインらしく青魚やマグロのカルパッチョなどとも美味しく楽しめる造りになっています。

リグーリア州で初めての｢DOC｣指定

山麓にある人口2000人ほどの小さな村、ドルチェアクア村で造られるワイン｢DOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア｣は、1972年にリグーリア州で初めてDOCの指定を受けました。このDOCはフランスとの国境付近の山岳地帯からリグーリア海岸まで広がっていて、ヴェンティミーリア、カンボロッソ、サン・バッジョ・デル・チーマ、ソルダーノなどの町や村がが該当しています。州全体が海沿いにあり、海産物が豊富なリグーリア州にあって数少ない赤ワインの産地として年間27万本を生産しています。