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カステル・デル・モンテ

Castel del Monte


カステル・デル・モンテは、イタリア半島のかかとの部分にあるプーリア州のDOCワインです。

イタリア語では、カステルが城、モンテが山という意味があるので、DOCの名称、カステル・デル・モンテは、「山の城」という意味になります。プーリア州アンドリアの郊外にあるこの城は、黄金比を取り入れた八角形を組み合わせて設計された美しいお城で、1996年には、ユネスコの世界遺産に指定されました。このお城は、この地域の象徴であり、人々の誇りです。そのようなお城の名前を冠したワインは、同様に、プーリア州を、南イタリアを代表するワインです。

カステル・デル・モンテのワインの特徴


DOCワイン、カステル・デル・モンテが造られるプーリア州は、古代ギリシャ人によって「豊穣の地」と呼ばれていました。豊かな自然とブドウ栽培に最適な気候の下で育つブドウから造られるワインは、しっかりと大地に根ざした味わいです。

カステル・デル・モンテのワインの特徴は、赤はネロ・ディ・トロイア種、モンテプルチアーノ種などから造られ個性的なテイスト。ロゼは他のロゼより色が深く、バランスの取れた味わい。白はお料理を選ばない飲みやすさです。DOCカステル・デル・モンテの赤ワインは、ネロ・ディ・トロイア種、モンテプルチアーノ種を75%以上使用することが義務付けられています。

DOCカステル・デル・モンテから、2011年、カステル・デル・モンテ・ネーロ・ディ・トロイアリゼルヴァ、カステル・デル・モンテ・ロッソリゼルヴィア、カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロがDOCGとして独立しました。前の二つは、ネーロ・ディ・トロイアメインの辛口赤ワイン、最後の一つは、イタリア初のロゼワインのDOCGです。

カステル・デル・モンテの歴史


DOCワイン、カステル・デル・モンテの名前の由来になったお城「カステル・デル・モンテ」は、1240年ごろフェデリーコ二世によって建てられました。軍事施設がなく、攻撃も防御もできないこのお城がなぜ建てられたのか、はっきりとした理由はわかっていません。鷹狩り用のお城だったのかもと考えられていますが、謎です。戦い用に使えないお城って、すごく素敵じゃないですか?フェデリーコ二世は、学問、文学、芸術を愛した文化人であったことから、きっと、この地のワインも愛したことでしょう。歴史のロマンを感じます。

カステル・デル・モンテのロケーション


DOCワイン、カステル・デル・モンテは、イタリア半島のブーツのかかと部分を占めるプーリア州のコラートとアンドリアの間に広がる地域で造られるワインです。プーリア州はイタリア半島最南東部に長く伸びる細長い州です。なんと海岸線は800qにも及びます。アドリア海に面したその土地は、光り輝く太陽の光をふんだんに浴びています。また、イタリアでは珍しく、州の半分が平地で、なだらかに続く丘陵地帯は南イタリアらしい、乾燥した黄土色の表土に覆われています。豊かな農業地域であると同時に、ブドウがたわわに実るブドウ生産地です。

カステル・デル・モンテのブドウ畑


カステル・デル・モンテを生み出す地域の内、平野部と海岸部は典型的な地中海式気候で、夏は高温で湿度は低く、冬は多雨で強い風が吹きます。年間平均降水量は600oぐらいです。ただし、アドリア海沿岸のバーリ周辺は、イタリアで最も降雨量の少ない地域ですが、大西洋から地中海を越えて吹く西風のため、多湿です。

ブドウ畑の土壌は、河川の運搬堆積物からなる沖積土と粘土が混じったもの、あるいは石灰質土壌、砂利質となっています。ブドウ畑では赤ワイン用のネロ・ディ・トロイア種や、ウーヴァ・ディ・トロイア種などが栽培されています。

カステル・デル・モンテの著名生産者


リヴェラ

1950年創業のワイナリー。ネロ・ディ・トロイア種、モンテプルチアーノ種など、プーリア州の気候にあったブドウを栽培し、品質の高いワインを造っています。2006年のイタリアワインの品評会、ガンベロロッソの最高評価獲得の他、ドゥエミラヴィーニで、チンクエグラッポリ、ルカマローニで最優秀ワインなど、高い評価を得ています。プーリアの地品種の研究を続け、カステル・デル・モンテでは、パイオニア的存在のワイナリーです。

トッレヴェント

1989年創業のワイナリーですが、こちらのブドウ畑は、ワイナリーの記録によりますと、1700年代にはすでにあったとのことです。イタリアワイン品評会ガンベロロッソで最高評価を獲得しています。今や、プーリア州における実力派No1のワイナリーです。

いずれのワイナリーも、カステル・デル・モンテを代表し、カステル・デル・モンテの名声を高めることに貢献してきたワイナリーです。高い評価を得ているのに比べて価格は安く、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。