バーデン・ヴュルテムベルグ州 は、 秀逸なシュペートブルグンダー のワインを造る事で注目されている、ドイツ最南端のワイン産地。


ブドウ栽培の北限とされるドイツですが、実はバーデンの緯度を地図で見てみると、フランスのアルザス地方からシャンパーニュ地方までくらいの位置にあり、この国の中では 最も温暖な地域 なのです。


冷涼なドイツでのシュペートブルグンダー造りにおいて、重要なのはその 凝縮感 を高める事、その意味においてバーデンは、 ドイツで最も優位な産地 と言えるのです。



このバーデン、現在はドイツの一部となっておりますが、 バーデン大公国 として900年近く存続していた歴史があります。


今回ご紹介するのはなんと、そのバーデン大公国君主であった王族が運営しているワイナリー、 ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデン！


「皇室御用達！」とか「宮廷晩餐会で使用！」といったキャッチフレーズのワインをたまに見かけることはありますが、イギリスやスペインなどの王室とも姻戚関係にあるような…



●「超」がつくセレブな王族がワインを造っている！



なんていうのは聞いた事がありません（笑）


いわゆる貴族の遊興的なノリではなく、一流の生産者として知られているこのワイナリーは、バーデンの歴史ある3つの城を中心にそれぞれのテロワールを活かし、シュペートブルグンダーを中心に素晴らしいワインを造っているんです！



その中の一つ、 シュロス・シュタイフェンベルク城 では、最も古い記録によると882年にシュペートブルグンダーが栽培されていたという記載があり、 1000年以上もの歴史ある銘醸地 として知られています。


この城を頂として斜面に広がる畑は複雑に入り組んでいて、麓と頂上の城では気温差が10度くらいある事もあって ミクロクリマの宝庫 となっており、しかも常に風が吹きおろしてくるため 有毒な菌が付着しにくい という恵まれた環境。


眺望の良い城からは遠くの空まで見渡せる為、ここで働く熟練の職人は「あと〜時間で雨が降る！」なんていう、経験に基づいた予測もたてられるのだそうです。



マルクグラフ・フォン・バーデンでは、ブドウの成熟を最高の状態にして凝縮感を高めるために、 全てのブドウの房を早い段階で半分に切ってしまう、 という驚くべき作業を行っています。


収量は下がりますが、品質のためにはこうした大胆な作業も厭いません。


凝縮はしているものの、もちろん濃すぎるわけでない、しかし確かに完熟した果実感とミネラルを、しっかりと実感できるエレガントなスタイルがこのワイナリーのスタイル。


手摘みで丁寧に収穫、畑・ブドウありきの考え方を持っており、 手を加え過ぎずにバーデンのブドウをそのまま表現する事 を哲学としています。



ドイツで最も南にあり、最も温暖な地域であるバーデン！

恵まれた環境を持つ、この地を900年以上も統治した王族のワイナリー！

国際的な評価が非常に高まっているバーデンのシュペートブルグンダー、凝縮感と複雑さを備えたエレガントな逸品です！