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ジュゼッペ・マスカレッロ
Giuseppe Mascarello
1881年から始まったワイナリーの歴史 多才な代々の当主たち
バローロのクラシックと呼ばれる「ジュゼッペ・マスカレッロ」の歴史は、1830年生まれのジュゼッペ・マスカレッロがモンフォルテ・ダルバのピアン・デッラ・ポルヴェレという小区画にブドウ畑を購入したことから始まります。
1902年に創立者ジュゼッペ・マスカレッロが亡くなると、息子のマウリツィオ・マスカレッロがあとを継ぎ、1904年にワイナリーをカスティリオーネ・ファッレットのモンプリヴァートに移動、ここにブドウ栽培からバローロのワイン生産までを完璧に行うワイナリーが誕生したのです。
しかし、バローロを生産するためのブドウの量が充分ではなく、マウリツィオはブドウ園の土壌や気象条件を生かしドルチェットとバルベーラの生産も開始します。1919年には、バローロとモンフォルテ・ダルバの中間に位置する、モンキエーロにある18世紀の建築物を購入しました。
ここはもともと、18世紀の技術を駆使して製氷が行われていたところです。マウリツィオはこの建物を改築し、醸造所もここに移しました。そして、この建物がワインの貯蔵に非常に適していることを発見するのです。独特の構造を調査したマウリツィオ・マスカレッロはこの後、なんと建築資材の売買にも才を発揮するようになります。
1921年、マウリツィオはモンプリヴァートのブドウ畑の一画のネッビオーロに、ミケット種のクローンを接ぎ木しました。マルチな才を発揮したマウリツィオ・マスカレッロは、1923年に死去します。
あとを継いだ息子ジュゼッペ二世は、弟のナターレ、姉妹のジュゼッピーナ、アデライデの助力を得て運営に力を注ぎました。ところがまもなく、ナターレとジュゼッピーナはワイナリー経営上の哲学の相違から、ジュゼッペ二世と袂を分かつことになります。
1930年代前半、ジュゼッペ二世はワイン醸造にエネルギーを集中させるために、父マウリツィオが始め高利益を得ていた建築資材売買業の縮小を決意しました。
しかし木材に精通していたジュゼッペ二世は、貯蔵庫にあった古い樽をスロヴォニア産の木材を使用した樽に取り替えることに成功します。ジュゼッペ二世は、樽職人であったセヴェリーノ・コーモラとの共同作業で樽作成の新たな基準まで確立するのです。
アルバの最高の品質のブドウを生み出すクリュ、先祖から代々精錬されてきた高い醸造技術をもとに、ワイナリーのバローロ生産は増大し質も向上していきました。
ジュゼッペ二世は、父マウリツィオと同様にネッビオーロ種の改良にも非常に熱心に取り組んでいます。1959年、1920年に父が接ぎ木したミケット種を精選し、1963年にふたたび土に戻しています。
こうして盛名を得たジュゼッペ・マスカレッロのバローロには、高名なファンが多くつきました。画家エーソ・ペルッツィ、フェリーチェ・カレーナ、ルイージ・デッレアーニ、美術評論家オリオ・ヴェルガルニ、編集者アルベルト・タッローネなどです。
現当主マウロ・マスカレッロとワイナリー
偉大な父ジュゼッペ二世の傍らで長年にわたってワイナリーの運営に携わってきたマウロ・マスカレッロは、1967年にモンキエーロのワイナリーの総責任者となります。
1968年から1977年にかけて、マウロ・マスカレッロはワイン醸造のあらゆる分野で実験的な試みを行いますが、満足できる結果が得られませんでした。そして、マウロが出した結論は、先祖が営々と築き上げてきた技術を守ることであったのです。これが、マスカレッロの「古典的なバローロ」と呼ばれるゆえんです。
ただし、実験的な試みの中で唯一、ブドウの浸軟期間を60日から40日に短縮する方法を生みだしています。1980年代にはいると、この期間はさらに短縮され30日になりました。
1970年代に、マウロは単一のクリュからのワイン醸造を開始します。その第一号が、「バローロ・モンプリヴァート」でした。
1979年、先代ジュゼッペ二世とは別のワイナリーを開業していたマウロの伯父ナターレが死去、マウロは伯父のワイナリーも統合し新たに「ジュゼッペ・マスカレッロ・エ・フィッリョ」が誕生したのです。
1980年、老齢のジュゼッペ二世に代わりマウロ・マスカレッロがワイナリーの最高責任者に就任します。マウロ・マスカレッロは、「理想的なブドウの成熟」「ブドウの完全な健康状態」「ブドウの構成要素への最大限の注意」というワイナリーの不変の哲学を守り続けています。
現在、マウロは醸造学を大学で修めた息子のジュゼッペ、妻のマリア・テレサとともにさらなる高品質のワイン醸造にいそしんでいます。
ジュゼッペ・マスカレッロのブドウ畑
ジュゼッペ・マスカレッロが所有しているクリュは現在7つ。
ワイナリーの核をなす「モンプリヴァート」は6ヘクタール強、ネッビオーロが植えられています。古文書によると、1666年にはすでにブドウ畑が存在していたことが確認されており、バローロ地区でも最も歴史のある土地です。
「ブリッコ」は、「モンプリヴァート」と同様に標高280メートルに位置するクリュです。ネッビオーロが40パーセント、ドルチェットが60パーセントを占めています。
「コダーナ」のクリュは4ヘクタール弱、バルベーラが75パーセント、ネッビオーロが25パーセント栽培されます。その他、フレイザ種の「トエット」、1988年に植えられたネッビオーロが栽培されている「ヴィレーロ」、「サント・ステファノ・ディ・ペルノ」、標高300メートルに位置する最も新しいクリュ「スクデット・デル・サント・ステファノ・ディ・ペルノ」で構成されています。
ジュゼッペ・マスカレッロのワイン
バローロ・モンプリヴァート
38ヶ月の熟成を経て完成するモンプリヴァートは、あらゆるスパイスに香り高い花々が絡むような多角的なワインです。堅固で壮大、長くその味が口腔を満たしてくれます。また、モンプリヴァートは20年の寿命を持つとも言われ、長く貯蔵庫に寝かせて味を楽しむのも一興です。