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リヴィエーラ・リグーレ・ディ・ポネンテ

Riviera Ligure Di Ponente


イタリア北西部、リグーリア州にあるD.O.C.、リヴィエーラ・リグーレ・ディ・ポネンテでは、ピガートやヴェルメンティーノ、ロッセーゼなどの品種から、高品質のワインが生産されています。

リグーリア州にあるD.O.C.


リヴィエーラ・リグーレ・ディ・ポネンテは、イタリアのリグーリア州の西部、サヴォーナ県とインペリア県の海岸にまたがって広がるD.O.C.です。

D.O.C.とは、日本語では「統制原産地呼称」と呼ばれ、イタリアのワイン法の中で、生産過程において様々な審査をクリアした、上級なワインにのみ許された呼称です。

リグーリア州は、西はフランスと国境を接し、北はピエモンテ州とエミリア・ロマーニャ州、東はトスカーナに接しています。また、西にはリグーリア・アルプス山脈、北にはリグーリア・アペニン山脈がそびえ、南はリグーリア海に開けた、東西に細長く伸びた、弓の形に似た形の州です。

リグーリア州の州都であるジェノヴァは、イタリア最大の港町として知られ、ジェノヴァから西が「リヴィエーラ・ディ・ポネンテ」、東が「リヴィエーラ・ディ・レヴァンテ」と呼ばれています。リヴィエーラ・リグーレ・ディ・ポネンテは、リヴィエーラ・ディ・ポネンテにあります。

少量ではあるものの、優れたワインを生み出すリグーリア州


リグーリア州は、古来よりイタリアとフランスを結ぶ重要な交易路として栄え、ワイン造りも古くから行われてきました。

イタリアではヴァッレ・ダオスタ州、モリーゼ州に次いで面積の小さな州で、州の65%が山岳地帯、35%が丘陵地帯となっており、平野はほぼありません。さらに、土地の69%が森林であるため、耕作可能な土地はごく僅かです。そのため、急な傾斜の狭い段々畑でブドウが栽培されているような、ワインの生産に困難を要する生産地です。そのため、生産量もあまり多くなく、この地で造られたほとんどのワインは、観光地でもある地元で消費され、輸出されるワインは極めて少ないというのが現状です。

リヴィエーラ・リグーレ・ディ・ポネンテの石灰土壌で栽培されるピガートやヴェルメンティーノからは、みずみずしい味わいに、心地良いミネラルが感じられるような、高品質の白ワインが生み出されています。また、赤ワイン用の品種としては、ロッセーゼ、ドルチェットなどが栽培されています。また、高い山々と海に挟まれた地形であるため、常に西から海風が吹き、ブドウが病害から守られています。

リヴィエーラ・リグーレ・ディ・ポネンテの主要品種


ピガート

淡い色ではなく、しっかりと輝く麦わら色のワインになるのが特徴的な白ブドウ。香りは、黄桃やムスクのような甘い香りに加え、アーモンドのような香りも感じられます。海に近いことから、ほんのり塩味が感じられる、味わい深く余韻の長いワインになるのも特徴です。

「ピガート」というブドウの名前は、ラテン語の「ピカトウム」(古代ローマ時代の芳香を加えたワイン)に由来しています。

ピガートは、ギリシャ人がこの地方にもたらしたブドウ品種、マルヴァジアがベースとなっていると言われていますが、ヴェルメンティーノをはじめ、様々な他のブドウとの交配が繰り返されたため、ブドウの特性はマルヴァジアとは異なるものになっています。

この地方の郷土料理である「ブリッダ」と呼ばれる干し鱈などを使ったスープをはじめ、スズキやヒラメなどの白身魚の料理、野菜をハーブで味付けしたような料理などに相性が良いと言われています。

ヴェルメンティーノ

リグーリア州のヴェルメンティーノは、中世、ジェノヴァ人によってスペインから伝えられたと言われています。この地方の気候に合っていることもあり、19世紀には同州インペリア県のサンレモを中心とする地域に植えられ、今日では、サンレモ、ヴェンティミリーアを中心とした、海沿いの丘陵地に多く植えられています。

この品種で造られるワインは、やや緑がかった麦わら色の、レモンなどの柑橘系の果実の香りや、サルビアなどの花の香りを含んだ、爽やかな酸のワインになります。その特徴が、ソーヴィニヨン・ブランに似ているとも言われています。

料理との相性については、基本的に魚介類の料理には何でも合いますが、この地方の伝統料理である「カッポン・マーグロ」(ビスケットを敷き詰めた大皿の上に、10種類近い魚介や野菜を盛り付けるという豪快な料理)によく合うとされています。

ロッセーゼ

リグーリア地方のみで栽培されている品種で、ギリシャ人やフェニキア人の植民地時代に植えられたのではないかと言われています。また、研究者の間では、ネッビオーロの変種ではないかと言われていますが、定かではありません。ロッセーゼという名前は、濃い赤色のブドウであることに由来しています。

ワインにすると、ルビー色になり、熟成が進むにつれて、ガーネット色を帯びてきます。バラやリーベスのような華やかな香りに、僅かな苦味を含んだ、繊細な味わいのワインになります。なお、アルコール度13%以上で、12ヶ月以上の熟成を経たものについては、「スペリオーレ」と表示することができるようになります。

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