このワインを造ったクロスター・エーベーバッハ醸造所は、ラインガウの中心的な存在で、９００年近く、途切れることなくワインを造り続けてきました。その起源は１１３５年に設立されたシトー派の修道院に由来します。


この醸造所の所有する畑シュタインベルガーは、ドイツ５大畑（オルツタイルラーゲ）のひとつで、１２世紀に修道士により開墾されました。シトー派の故郷、ブルゴーニュのクロClosのように石垣で囲まれたぶどう畑では、熟度が高く、質の良いぶどうが出来上がります。


造られるワインの品質は、古くから有名で、鉄血宰相ビスマルクが、１８９３年ヴィンテージのシュタインベルガーカビネットの半分を買い上げたという逸話も残っています。


ドイツワインの等級として使われている「カビネット」という言葉は、この醸造所が最初に使った、特別に優れたワインを貯蔵する部屋（Cabinet）から生まれました。


このカビネットは、ラインガウ・リースリングのきりっとした酸味と、エレガントで豊かな果実味を存分に堪能できます。「品質第一」をモットーに数百年に渡り伝統を積み重ねてきたクロスター・エーべーバッハ醸造所の実力をうかがい知ることのできる一本です。