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コート・シャロネーズ Cote Chalonnaise
北のコート・ド・ボーヌから南のマコネーまでの、長さ25キロメートル、幅7キロメートルにおよぶワイン生産地区がコート・シャロネーズです。「コート シャロネーズ」の地区名は、ソーヌ・エ・ロワール県北部にあるシャロン・シュル・ソーヌ市から取ったものです。かつてはワインや農産物の集積地・積み出し港として栄えていた都市でしたが、、現在ではワインには何の関係もない産業都市に姿を変えています。県内の人口は最大ですが、県庁所在地は県内第2の都市マコンにおかれています。ぶどう栽培区画は、南東に面した最適な斜面に広がっており、暑い夏と乾燥した秋に恵まれ、ぶどうはよく熟します。栽培されるブドウ品種はピノ・ノワールやシャルドネに加え、南下するにつれて地中海性気候の影響を受け、土壌の違いや、地形の違いによってガメイやアリゴテが栽培されています。
この地区の土壌は泥灰土と粘土の入った白亜質土壌で、ボーヌと似ているため、ワインのタイプも同じようなものが多いです。主な村としては北から、リュリー、メルキュレ、ジヴリー、モンタニーの他、1998年にACを獲得したブーズロンがあります。
コート・シャロネーズの主な村々
1. リュリー(Rully)
1939年にAOCに認定されたワインで、生産量の約3分の2は白ワインです。ヴィラージュものとプルミエ・クリュを産出。白ワインは香り高く滑らかな飲み口で、シャロネーズの中でも最も上質で洗練された白ワインを産します。赤ワインはフルーティで比較的タンニンのソフトなタイプが多いです。またリュリーの村はブルゴーニュで最初にクレマンを造った村として知られています。クレマンはスパークリング・ワインの一種で、クレマンという名前は気泡がクリーミィに感じされことに由来しています。現在でもリュリーはクレマン・ド・ブルゴーニュの主産地です。2. メルキュレ(Mercurey)
メルキュレはコート・シャロネーズ地区のなかで最もワイン生産量が多い村で、その生産量はシャロネーズ全生産量の3分の2を占め、この地区のワイン生産における中心の村になっています。生産されるワインの9割近くが赤ワインで、色が濃くしっかりとした風味を持ち、ボディはしなやか。優れた1級畑のワインは、時にニュイやボーヌのワインに匹敵するほどの高品質なものとなります。メルキュレの名前の由来は、ローマ神話の商業の神メルクリウス (Mercurius)であり、英語読みでマーキュリー (Mercury) とも表記される。
3. ジヴリー(Givry)
ジヴリーはメルキュレに次ぐ最良の赤ワインの産地で、白ワインも少量生産されています。この地のブドウ畑は、中世時代のクリュニー派、ついでシトー派の修道僧によって開墾されたもので、フランス人に人気の高いブルボン王朝初代国王・アンリ4世が愛したワインのひとつです。赤ワインは、若いうちはタンニンが強いが、3〜5年たつとソフトでまろやかに熟成します。4. モンタニー(Montagny)
シャルドネ100%から造られる、白ワインのみがモンタニーのアペラシオンを名乗れます。このAOCは、モンタニィ・レ・ビュクシー村、ビュクシー村、サン・ヴァレラン村、、ジュリー・レ・ビュクシー村の4村にまたがります。以前はアルコール度数が11.5度を上回ると1級を名乗れましたが、現在は53の区画が指定され、そこで産するワインのみが1級を名乗れます。5. ブーズロン(Bouzeron)
ブーズロンは、以前ブルゴーニュ・アリゴテ・ブーズロンの表示で生産されていましたが、1998年より単独のAOCを獲得しました。ブーズロン村とシャセイ・ル・カン村のアリゴテ種から造られた白ワインのみに、このアペラシオンは認められます。わずかに緑を帯びた、淡い金色から澄んだ麦藁色の色合で、腰が強い酸味のしっかりしたフレッシュなタイプの辛口白ワインです。食前酒として有名なカクテル「キール」は、ブルゴーニュ地方特産のクレーム・ド・カシスとアリゴテを用いて作られたのが始まりです。